麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

すばるとれぱーとりー

2008年09月24日 | 東演

◎9/22の続きっちゃあ、つづきです◎

月刊文芸誌「小説すばる」を古本屋で入手して読んでいる。それで思うのは、当然だがバラエティー豊かな誌面の魅力だ。

 一昨日、号数はどうでもいいと書いた05年10月号でいえば、熊谷達也氏の『氷結の森』(※1)の第一回が載っていて、「華麗なる女たちの世界」と題して、皆川博子氏、藤本ひとみ氏、野中柊氏、豊島ミホ氏等、世代(※2)もスタイルも異なる8つの女性作家の競演があって、文化座が舞台化した『笑う招き猫』の山本幸久氏や僕と同い年の高野秀行氏の作品も読める・・・書き始めるとキリがないボリューム。
 これで定価820円(僕は3年後の今年100円で入手
 ※注の解説は文末。

 さて。
 劇団と一括りで言っても。。。作演出家がいて、彼もしくは彼女の創り出す世界観を体現する役者がいる集団もあれば、海外の、しかも喜劇にこだわって半世紀以上みたいな劇団もある。
 東演は、耳タコでしょうが来年創立50周年創立時は二人の演出家。。。八田元夫と下村正夫。。。の、それぞれ特色溢れる公演をほぼ交互に上演していた。

 その後の歴史をばっさりハショッて、僕の入団してからの十数年に限って振り返ってみる・・・。
 干支で一巡りの歳月に、劇団代表が近石真介から山田珠真子に代わり、役者の世代交代も進んだ。また、制作3人の個性が鮮明化した点も大きく作用して、レパートリーの彩りは増した気がする。

 例えば僕の特性は、やはり元いた小劇場というフィールドの匂いにあって。
 他の新劇団が若い才能に着目したのも追い風に。。。その追い風を敬称略五十音順に思いつくまま列記すれば、青木豪、赤堀雅秋、鐘下辰男、鄭義信、土田英生、中島淳彦、平田オリザ、マキノノゾミ、松田正隆(もっといるでしょうが、このへんで)。。。はせひろいち氏や藤井貴里彦氏の素敵な戯曲を上演する機会に恵まれた。
 来月の第130回公演『空ゆく風のこいのぼり』も、その延長線上の作品だ。

 とどのつまり。東演は、二人主宰による「幅のある作品群」の伝統を継承して来たのだなあ~と。

 ロシアから演出家を招いたり、中国の現代戯曲に果敢に取り組んだり。。。
 そうして、この進取の精神は、これからも変わらず持ち続けていたい!

 「小説すばる」、「少年サンデー」、あるいは「モーニング」よろしく(※3)、“色んな作品が観られる劇団”をこれからも標榜して行きます。

◎さらに続く◎

 ※1=マタギ3部作の完結編。第2作『邂逅の森』は、山本周五郎賞と直木賞のダブル受賞(史上初)。
 ※2=順に1930年、51年、64年、82年。ちなみに他の4人は宇江佐真理氏(49年)、谷村志穂氏(62年)、日向蓬(69年)、瀬尾まいこ氏(74年)。
 ※3=集英社、小学館、講談社の一ツ橋グループと音羽グループ3社の雑誌をまんべんなく。ジャンルも文芸誌、コミック誌、一般誌をピックアップ。

コメント
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