麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

楔でなく糊にもなる

2011年06月01日 | 制作公演関連
初老の婦人とエレベータホールで会う。

「傘はよし」
演劇教室の授業を終えて帰る彼女は
ひとりごちた後に
「あら、ごめんなさい。いちいち確かめて」
と僕に言った。

「その方が確実ですから」と答えたのを汐に、
彼女は、長い入院を終えて出てきたら
すっかり浦島太郎で、電車に乗るのも大変。
だけれど、この教室に来て、
色んな人と話したりして、だいぶ良くなったと。

きっと、僕を職員と勘違いしたのだ。

少子化と過当競争で、多くの演劇教育機関は
高齢者にも門戸を開いているのが
昨今の風潮だ。

生き残りをかけた熾烈な戦いの突破口は、
冒頭の話のように、
学ぶ側のプラスにもなるってことだ。

「政治の季節」を謳歌した演劇人は、
社会に楔を打つことに重きを置くけれども、
個と社会を糊づけすることにも
演劇は力を強く発揮するのだな。
コメント
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