麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

大森での『召命』

2014年04月27日 | 鑑賞
劇団昴勉強会×日芸コラボレーション公演
第二弾『召命』を観た。

日芸は「日本大学芸術学部」ではなく、
「日本芸術専門学校」を指します。

2007年の畑澤聖悟作、河田園子演出
の初演を僕は観ています。

劇団昴が拠点の三百人劇場を閉じ、
組織も大きくかえた時期のことで、
「劇団昴ザ・サード・ステージLABO公演vol.1」
と銘打って上演されたのでした。
場所は「蒲田演劇工場」。

今回はお隣の大森にある、
「日本芸術専門学校大森劇場」にて。
お隣と書いたけど……。
初演を上演したのは、日芸とはライバル(?)
ともいえる日本工学院専門学校の
持ち小屋を経て「蒲田~」となり、
さらに「テアトロ・ド・ソーニョ」と
名を変えた場所で、実は蒲田駅より
むしろ京急大森駅に近い。
(最も近いのは「京急梅屋敷駅」)

ま、てなわけで。
その時のオリジナルキャストに
新キャストを加えた4/25(金)~27(日)の
土曜17時の回を観劇。

冒頭書いたが「コラボ」企画。
受付には生徒さんだろう若者が沢山立ち、
皆ビシッとスーツを着こんでいるから
どこぞの上場企業の株主総会か、と
思わなくもなかった

客席に古巣・東演の小高氏の姿。
なんと日芸で教えているのだそうだ。

で、本編。簡素な舞台美術。
公演ではなく勉強会だからなのだろうが
十二分に成立していた。
むしろ初演よりシンプルで良かったかも。

物語は、様々な問題が連続して、
校長が次々に自殺、ついに成り手がなく
くじで選ばれた八人から決定する、という
荒唐無稽な中に、現実を射抜くもの。

保健室の先生や用務員さん、新任教諭、
民間からレンタル採用された若き営業部長
・・・と、八人の顔ぶれがまたユニーク。

ただそのユニークさばかりが際立って、
「現実を射抜く」部分が薄い戯曲に
観劇後の消化不良が甚だしいのだ

昨年解散した昴の礎「現代演劇協会」は
「芸術であると同時に娯楽性をも無視せず、
といって卑俗安易に走らず、
新劇の目指すべき“劇”とは何か」
を問い正すことを標榜していた。

一方。
現代演劇協会は教育界と密接な関係を
築いていた協会でもあった。
今回のような企画の継続には期待大だ!



コメント (2)
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