美術の加藤ちか、照明の大野道乃、
音響の高塩顕が『かもめ』の稽古場に。
一幕をざっと見て貰いスタッフ会議。
上演する劇場が近かったので
打ち合わせののち下見をしようと
本番を終えたカンパニーの退館後に
小屋番さんから連絡を貰い、
小雨のなか杉山剛志(演出)、
後藤絢子と僕(ともに制作)を
加えた六人で歩いて
(ちかさんは自転車)
東演パラータへ移動した。
間もなく衣裳の原田夏おるも合流。
それから。
下見を経てのミーティングとなる。
ただ雨だし、時間は22時を回っていて、
下北沢駅前まで出るのはなぁ~と
誰も口にしないが空気は伝わる。
僕が東演に居た頃、蕎麦屋だった処が
まだ在団中に暖簾を下ろし、
以来長く空き店舗だったのだが、
数日前のア・ラ・プラスの稽古に
向かう道すがら、ランチ営業していた。
雰囲気は居酒屋の風情だった。
それをはたと思い出し、とはいえ
時間も深いからなぁと前置きはして
バス通りまでワンブロック歩く。
(一人チャリ。体調不良の顕は離脱)
店内は当然、まるで違うレイアウト。
聞けば、もう二年になるという。
しかも。
「ここは前、蕎麦屋さんだったんだ」
としたり顔に言う僕に、若い女主人は
「孫です」とすこぶる良い笑顔で答えた。
そうなのだ、僕が去ってからですら
7年経つのだもの……
往時はかなり年季の入った夫婦が
切り盛りしていた。それが彼女の
じいちゃんとばあちゃんか。
そうして。
小さかった娘はすっかり大人になり、
そのお尻越しに、彼女の娘が
常連風を吹かせるおじさんを見上げる。
今はダイニングバーなのだと言う。
唐揚に焼き魚などをつまみに
軽くお酒も呑みながら『かもめ』
スタッフ陣の意見交換会。
と、これは去る木曜、16日の話。
そうそう。
あの頃、昼飯はここのほか、中華と
夜にはふぐも出す小さな割烹とを
ローテーションしていた。
時には駅まで足を伸ばしつつ。
それが一つ欠け、二つ欠け、
と別の場所にカジュアルフレンチ、
本来バーだけれど昼はカレーを出す店が
生まれ、また一つ閉じて・・・
ある意味劇団の新陳代謝にも似た、
ん?反対か(汗)
正しくは、そんな大きな経済構造に
同じ人間社会の末端に属する、
演劇が同じような容状を帯びているのか。
未来のとある劇団の面接。
「花揉米、珍しい名字だね。
そーいえば台詞覚えはからきしだけど
本番に強い何とも憎めない女優がいてさ、
僕がまだ入りたての頃の看板でね、
芸名は違ったけれど、確か本名が同じ……」
「はい、私もかもめ。いいえ、
私は女優。そしてそれ私の祖母です」
演劇集団ア・ラ・プラス
第13回公演『かもめ』
8月1日~7日です。
音響の高塩顕が『かもめ』の稽古場に。
一幕をざっと見て貰いスタッフ会議。
上演する劇場が近かったので
打ち合わせののち下見をしようと
本番を終えたカンパニーの退館後に
小屋番さんから連絡を貰い、
小雨のなか杉山剛志(演出)、
後藤絢子と僕(ともに制作)を
加えた六人で歩いて
(ちかさんは自転車)
東演パラータへ移動した。
間もなく衣裳の原田夏おるも合流。
それから。
下見を経てのミーティングとなる。
ただ雨だし、時間は22時を回っていて、
下北沢駅前まで出るのはなぁ~と
誰も口にしないが空気は伝わる。
僕が東演に居た頃、蕎麦屋だった処が
まだ在団中に暖簾を下ろし、
以来長く空き店舗だったのだが、
数日前のア・ラ・プラスの稽古に
向かう道すがら、ランチ営業していた。
雰囲気は居酒屋の風情だった。
それをはたと思い出し、とはいえ
時間も深いからなぁと前置きはして
バス通りまでワンブロック歩く。
(一人チャリ。体調不良の顕は離脱)
店内は当然、まるで違うレイアウト。
聞けば、もう二年になるという。
しかも。
「ここは前、蕎麦屋さんだったんだ」
としたり顔に言う僕に、若い女主人は
「孫です」とすこぶる良い笑顔で答えた。
そうなのだ、僕が去ってからですら
7年経つのだもの……
往時はかなり年季の入った夫婦が
切り盛りしていた。それが彼女の
じいちゃんとばあちゃんか。
そうして。
小さかった娘はすっかり大人になり、
そのお尻越しに、彼女の娘が
常連風を吹かせるおじさんを見上げる。
今はダイニングバーなのだと言う。
唐揚に焼き魚などをつまみに
軽くお酒も呑みながら『かもめ』
スタッフ陣の意見交換会。
と、これは去る木曜、16日の話。
そうそう。
あの頃、昼飯はここのほか、中華と
夜にはふぐも出す小さな割烹とを
ローテーションしていた。
時には駅まで足を伸ばしつつ。
それが一つ欠け、二つ欠け、
と別の場所にカジュアルフレンチ、
本来バーだけれど昼はカレーを出す店が
生まれ、また一つ閉じて・・・
ある意味劇団の新陳代謝にも似た、
ん?反対か(汗)
正しくは、そんな大きな経済構造に
同じ人間社会の末端に属する、
演劇が同じような容状を帯びているのか。
未来のとある劇団の面接。
「花揉米、珍しい名字だね。
そーいえば台詞覚えはからきしだけど
本番に強い何とも憎めない女優がいてさ、
僕がまだ入りたての頃の看板でね、
芸名は違ったけれど、確か本名が同じ……」
「はい、私もかもめ。いいえ、
私は女優。そしてそれ私の祖母です」
演劇集団ア・ラ・プラス
第13回公演『かもめ』
8月1日~7日です。