【今日はな、顔合わせでした】
劇団俳優座、2022年の第二弾にして、
21年度としては掉尾を飾る作品となる
LABO公演vol.38『京時雨濡れ羽双鳥』『花子』は
田中千禾夫の小品二本立て公演。
その稽古初日が本日。
通常はスタッフも勢ぞろいして気運を高める
……のだけれどCOVID-19禍は、ままならず。
となって随分となるわけである。
ちょうど二年前は『雉はじめて鳴く』を19日に終え、
その返し物などをしていた1月20日。
コロナを認識はしていたが公演への影響はさほどなかった。
が。
次の『マクベスの悲劇』は本番が3月で完全な渦中に。
年は経たが、まだまだCOVID-19との戦いは続く。
そんな稽古場で、読み合わせ。
それからドラマトゥルクのみなもとごろう氏から話を聞いた。
私が面白く聞いたのは、三島由紀夫との比較論。
田中も三島も文学座に縁があった演劇人だが、
後者は、皆様もご存じのように美しい文体を持っていて、
徹頭徹尾「論理的」に展開されている。
かたや、前者も優れた文学性を有していながら、
演劇的な「肉体性」に富んでいるという分析。
乱暴に謂うと・・・
三島は読むと完璧なのだが立体化した時するとつまらない。
田中は演劇として立ち上げて初めて完成されるように創られている。
・・・という、みなもとさんの解説。なるほどである。
田中千禾夫はまた、時代ごとに常にスタイルを変えた作家で、
作品もまた圧倒的に前衛的だったと。
そんな田中の戯曲二題に我々は挑んでいく。
3月の本番に向けて。