エスカレータの一段に立って本を読みながら
下って来る小学生とすれ違いに
プラットホームへと上りながら僕は思った。
まず「危ないぞ、気をつけて」と、それから
紙媒体の健在にホッと溜息。
そういえば、勤勉さを凌駕する危険性から
全国津々浦々の二宮金次郎像は消えていった。
金次郎は実は「金治郎」だとか、
尊徳は「そんとく」が通っているが「たかのり」とか
そーゆーことはwikiに譲って、
わが神奈川の偉人が忘れ去られるのは残念である。
という前段から損得の話。
ニュースでキャラメルボックスが復活、と。
僕ら世代には強烈なインパクトを残した「演劇集団」。
圧倒的な支持は健在で親子三代で観劇と聞けば、
我々制作者は羨しくて仕方がない。
それはさておいて。代表の成井氏は言う。
初日に持っていくまでの時間が「劇団」は
プロデュース公演に比して半分の時間で済む。
なるほどそれは否定しない。
逆にいえば。
そういう阿吽の呼吸で連なる集団を維持するのは難しく、
演劇界では「劇団一代論」という思想まである。
そして、それもまた真理だったりする。
例えば。
創立ウン十年ともなると、かつての看板俳優は独立し、
でもその記念公演に帰ってきて、
「わあ、〇〇さん復活!」とかつての支援者が舞い戻り、
「え、〇〇さんが舞台に!」と芝居なぞ見たことのなかった
彼(または彼女)のファンが初めて芝居小屋に足を踏み入れる
・・・この融合は決して悪くない。
それから。
主宰が外部の仕事で出会った、いわゆる有名な俳優を客演に呼び、
うまくすれば新しい風が吹くけれど、たいがいは「質感」が合わず
失敗に終わったりもする。
経済的には成功なのだが、芸術としては失敗。
キャラメルの話が起点だけれど、その集団のことを書いてはいない。
あくまで一般論である。誤解のないように。
ちなみにキャラメルさんの復活作品は
『サンタクロースが歌ってくれた』という時期的にもフィットな
集団の十八番のひとつなようだが・・・
今やサンタグッズが溢れすぎていて。
と上の写真は我が家のそばの百均の店先だが、ネットも含めて
なんでもわかってしまう現代、子供は大変じゃないかしらと
どーでもいい心配も浮かんだりもする。
冒頭の読書好きな少女はサンタさんを信じているのかな?
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