麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

文化座 千羽鶴 ~ 祝☆芸術祭賞

2009年02月13日 | 鑑賞
 平成20年度「芸術祭大賞」を『てけれっつのぱ』で受賞した文化座!
 
 歴史あるこの大きな賞は、いえば、CLことUEFAチャンピオンズリーグでの優勝といえ、昨日初日を迎えた『千羽鶴』は、U-20の国際大会を圧倒的な力で制したような、そんな素晴らしい舞台でありました。

 【文中敬称略】

 社団法人日本劇団協議会主催、文化座が製作に当たった『千羽鶴』は《平成20年度文化庁芸術団体人材養成支援事業/次世代を担う演劇人育成公演》という長~い名称の事業の一環で、とどのつまり「若手を育てる」公演。

 10人の出演のうち7人が「育成対象者」。
 冒頭サッカーに例えたので、引き続きその調子でいけば、3人がオーバーエイジ枠(以下OA)での出演となる。

 2トップに位置された、1945年~55年の広島に住む少女・サダコ(高橋未央)と現代のカナダの少年バディ(小林悠記子)。
 この2人のFWが実に生き生きしていた。
 実は後者は、居方としては少々引きこもりだったりするのだが…。それはタイプの異なる対照的な2トップと言うことが可能で、それがゲームのアクセントとして効いていた。

 アクセントといえば。。。
 この座組で僕が一番買った、サダコの母とハーマン夫人(つまりサダコとバディのお母さん)の二役を演じた青山真利子。 

 ポジションはボランチ。
 その攻守の切り替えの切れ味に惚れ惚れとした。
 優しいサダコの母と厳しいバディの母を、不器用だが果敢にボールに挑み、懸命に身体を張って、決してラインを下げない汗のかきっぷりは、見事な「中盤の底」としての仕事でした。

 トップとボランチの距離がコンパクトだったので、右サイドのグレッグ(姫地実加)、リー(水原葵)=ともにバディの友人、左サイドのヨシコ(長束直子)=サダコの同室の患者という3人の攻撃的MFの動きがとても自由になり、前線を追い越すシーンも多く、ゲームを制圧する一因となった。

 GKには語り手であるよしこ(有賀ひろみ/OA)。二つの時空に属さない役柄は、唯一手を使えるキーパー的存在で、また大ベテランがゴールマウスに立つことで若いフィールドプレーヤーは自信を持ってピッチを駆け回ることができた。

 DFは、サダコの父と教師(白幡大介/OA)、医師と先生(沖永正史/OA)、看護婦と義姉(瀧澤まどか)の3枚。
 中でも白幡のオーバーラップは効果的で、闘莉王ばりの高さのあるヘディングは何度もゴールネットを揺すった。

 上演時間1時間半。
 原作/コーリン・トーマス
 翻訳/吉原豊司
 潤色/比佐 廉(東京スウィカ)
 演出/磯村 純(青年座)
 2009年2月12日(木)~22日(日)
 文化座アトリエ

 このブログを読んだ方、必見です。
 幅広い年齢層にご覧いただける、普遍性のある作品。
 なのだけれど・・・叶うなら多くの若者に見て欲しい舞台!と、あえて付け加えたい。

 そのあたり、次回もう少し具体的に書こう。
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下北沢演劇祭09のみどころ

2009年02月11日 | 鑑賞
 東演もP.I.C-4『萩家の三姉妹』で参加した、第19回下北沢演劇祭。

 他にも素敵な作品が目白押し。
 
 もちろん一番は2/21(土)~22(日)世田谷区民上演グループA『女の平和』ですが・・・まだ先なので。

 『萩家の三姉妹』の熱気冷めやらぬ、東演パラータで今日幕を開けた「シンクロナイズ・プロデュース」の『焼跡のイエス』から紹介しましょう。

 石川淳の小説を元にした「次への回路」シリーズの第二弾です。
 第一弾『夏の路地』が素晴らしかったので、是非パラータで上演して欲しいと招聘したカンパニーです。
 本作を僕はまだ観てないけど、期待を裏切らない作品だと思います。

 台本・演出/久米次健太郎
 2/11(祝)~15(日)
 *演劇祭の共通チラシと上演時間が
  異なる日があるのでご注意ください。 
 
 期待を裏切らないといえば、既に本多劇場で上演中の、平均年齢80才の「パラダイス一座」の三本目にして最終作『続々オールド・バンチ~カルメン戦場に帰る』
(作/山元清多、演出/流山児祥)。
 15日が千秋楽ですが、果たしてチケットはあるのだろうか???
 前2作とも大入り満員。今日はNHKが取材に来ていた。
 
 あさって開演の「JAM SESSION.09」の演目は、ナント!『女の平和』です。
 区民A(さぎそう)のレパートリーと同じです。
 しかも13日初日で22日まで・・・と言うことは、土日はシモキタで『女の平和』が激突します!!!
 
 負けないように頑張ろう

 思えば・・・10月から毎週土日祝日稽古してきた「さぎそう」も、残すところ次の土日のみ。
 かなりの仕上がりぶりです
 初日は、いよいよ9日後。
 入場無料。
 21(土)19時
 22(日)14時
 北沢タウンホールにて。

 やっぱ、最後は東演全面バックアップのここが落ちどころッス。
 
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『萩家』のシャッターが降りました。

2009年02月09日 | 東演
 結局、公演中はブログが書けず・・・昨日、千秋楽を迎えました。

 劇団東演創立50周年記念公演第一弾
 第19回下北沢演劇祭参加
 P.I.C-4『萩家の三姉妹』
 (作/永井愛、演出/篠本賢一)

 お陰様で連日の大入り 
 (土曜の夜のみ80名ほどでしたが、他のステージはほぼフルハウスでした)
 ぎゅう詰めでのご観劇、お客様には申し訳なかったです。
天候にも恵まれ(千秋楽は強風が吹いたけれど)一日も雨が降らなかったのは幸いでした。

 本当にありがとうございました

 さてタイトルは、『萩家の三姉妹』をご覧いただいた方は、なるほど。
 そうでない方は、何故前回のブログで「門が開いた」なのに、いきなりシャッターなのか戸惑うことでしょう……。
 
 そこにはあえて触れず。。。唐突に蔵の話に。

 旧家だけに、萩家には蔵があります。
 次女の仲子とプリンスが逢瀬を重ねたりする、ドラマチックな展開がある蔵。

 東演も、山梨県大月市にある倉庫を保持しています。
 過去の作品の道具や衣裳等が保管してあるのですが、今日も若手中心で向かっています。
 98年初演で、以後再演を重ね全国各地、ついには中国でも上演した『長江-乗合い船』の、ファン先生の部屋の床面を『萩家』で使用。

 その他、過去の名舞台で活躍したモノと、今回新たにこしらえたパネル等を載せて。。。

 これは目に見える蔵ですが、歴史の中で培われた“劇団力”とでも言いましょうか……目には見えない“蓄積”が、今回PICという、劇団員総出のハンドメイドな公演では特に力を発揮したなあ!と、一夜明けて思っています。

 記念公演第一弾。あえて準劇団員という劇団の“未来”に重きを置いた企画の主旨は、座内の想定や想像を超えて果たされたと自負しますが、その上に《東演》全体の力も大幅にアップしたゾ、と。

 そのあたり、画像とともに具体的に書こうと思いますが、今日はこのへんで。
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『萩家』の門が開きました。

2009年02月04日 | 東演
 昨日、長野県の中信から南信地方に多く分布する民家の形式「本棟造り」の、古い庄屋の家だった「萩家」の門が、ついに開け放たれました。
初日、二日とも大入りで快調な滑り出し

 舞台の評判も大変良く、残り5ステージも大いに期待できます。

 節分に幕をあけた『萩家の三姉妹』、鬼の気配はなく、福が内にワンサカ入り込んでいる感じです。




 上の写真は、今日の公演終了後、腰越(最後列中央こちら向き)お手製の鍋を囲む劇団員たち。

 シメジ、大根、人参におじゃが。お肉に糸こんetc.etc・・・具だくさんのバランスのよい、生姜の風味の効いた大変美味しいお鍋。

 下はその中身を覗いた図。
 ちらりと見えるのは〆の饂飩。
 モーレツな勢いで寸胴いっぱいの鍋があっと言う間になくなりました。 



 なくなると言えば、『萩家』のチケットは今日も完売でしたが、7日夜と千秋楽もソールドアウトです。
 土曜の夜に多少の余裕がある以外は、他の日も売り切れ間近です。
 チケットをお求めの方はお急ぎくださいませ。

 明日は昼2時からで~す
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2009年、嘉月から麗月へ

2009年02月01日 | 東演
 嘉月(かげつ)から麗月(れいげつ)へ。
 昨日で二〇〇九年の一月も終わり、
 今日から二月。
 第19回下北沢演劇祭開幕です

 街にはフラッグがはためいています。

 商店街の街頭に取り付けられたオレンジ色の旗です。
 
 解りづらい?
 ではアップで  

 2月3日開幕の東演P.I.C-4『萩家の三姉妹』(於:東演パラータ)、三週目の21~22日の世田谷区民上演グループA『女の平和』(於:北沢タウンホール)ともに、同演劇祭参加作品です。
 前者はいよいよ初日が明後日

 演出の篠本氏は稽古の合間にリーフレットの原稿を執筆。
 

 オフキャストは
 衣裳の直しを・・・。

 一方「さぎそう」も、本番までの土日祝日を数えると、今日を入れて6回。

 稽古と並行して大道具の仕上げが急ピッチで行われています。
 東演の3階稽古場で、美術の根来氏自ら色塗りです。
 (↓上の縦長写真)
 区民スタッフもお手伝い(↓下の横長写真)

 

 そして・・・
 『萩家』の稽古の隙をみて「さぎそう」道具について打ち合わせをする星野と、根来氏。

 『萩家』が終わり次第、東演は「区民グループ」のバックアップに回ります。
 
 てなわけで・・・パラータはかなりのスクランブル状態に陥ってます。
 
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