平成20年度「芸術祭大賞」を『てけれっつのぱ』で受賞した文化座!
歴史あるこの大きな賞は、いえば、CLことUEFAチャンピオンズリーグでの優勝といえ、昨日初日を迎えた『千羽鶴』は、U-20の国際大会を圧倒的な力で制したような、そんな素晴らしい舞台でありました。
【文中敬称略】
社団法人日本劇団協議会主催、文化座が製作に当たった『千羽鶴』は《平成20年度文化庁芸術団体人材養成支援事業/次世代を担う演劇人育成公演》という長~い名称の事業の一環で、とどのつまり「若手を育てる」公演。
10人の出演のうち7人が「育成対象者」。
冒頭サッカーに例えたので、引き続きその調子でいけば、3人がオーバーエイジ枠(以下OA)での出演となる。
2トップに位置された、1945年~55年の広島に住む少女・サダコ(高橋未央)と現代のカナダの少年バディ(小林悠記子)。
この2人のFWが実に生き生きしていた。
実は後者は、居方としては少々引きこもりだったりするのだが…。それはタイプの異なる対照的な2トップと言うことが可能で、それがゲームのアクセントとして効いていた。
アクセントといえば。。。
この座組で僕が一番買った、サダコの母とハーマン夫人(つまりサダコとバディのお母さん)の二役を演じた青山真利子。
ポジションはボランチ。
その攻守の切り替えの切れ味に惚れ惚れとした。
優しいサダコの母と厳しいバディの母を、不器用だが果敢にボールに挑み、懸命に身体を張って、決してラインを下げない汗のかきっぷりは、見事な「中盤の底」としての仕事でした。
トップとボランチの距離がコンパクトだったので、右サイドのグレッグ(姫地実加)、リー(水原葵)=ともにバディの友人、左サイドのヨシコ(長束直子)=サダコの同室の患者という3人の攻撃的MFの動きがとても自由になり、前線を追い越すシーンも多く、ゲームを制圧する一因となった。
GKには語り手であるよしこ(有賀ひろみ/OA)。二つの時空に属さない役柄は、唯一手を使えるキーパー的存在で、また大ベテランがゴールマウスに立つことで若いフィールドプレーヤーは自信を持ってピッチを駆け回ることができた。
DFは、サダコの父と教師(白幡大介/OA)、医師と先生(沖永正史/OA)、看護婦と義姉(瀧澤まどか)の3枚。
中でも白幡のオーバーラップは効果的で、闘莉王ばりの高さのあるヘディングは何度もゴールネットを揺すった。
上演時間1時間半。
原作/コーリン・トーマス
翻訳/吉原豊司
潤色/比佐 廉(東京スウィカ)
演出/磯村 純(青年座)
2009年2月12日(木)~22日(日)
文化座アトリエ
このブログを読んだ方、必見です。
幅広い年齢層にご覧いただける、普遍性のある作品。
なのだけれど・・・叶うなら多くの若者に見て欲しい舞台!と、あえて付け加えたい。
そのあたり、次回もう少し具体的に書こう。
歴史あるこの大きな賞は、いえば、CLことUEFAチャンピオンズリーグでの優勝といえ、昨日初日を迎えた『千羽鶴』は、U-20の国際大会を圧倒的な力で制したような、そんな素晴らしい舞台でありました。
【文中敬称略】
社団法人日本劇団協議会主催、文化座が製作に当たった『千羽鶴』は《平成20年度文化庁芸術団体人材養成支援事業/次世代を担う演劇人育成公演》という長~い名称の事業の一環で、とどのつまり「若手を育てる」公演。
10人の出演のうち7人が「育成対象者」。
冒頭サッカーに例えたので、引き続きその調子でいけば、3人がオーバーエイジ枠(以下OA)での出演となる。
2トップに位置された、1945年~55年の広島に住む少女・サダコ(高橋未央)と現代のカナダの少年バディ(小林悠記子)。
この2人のFWが実に生き生きしていた。
実は後者は、居方としては少々引きこもりだったりするのだが…。それはタイプの異なる対照的な2トップと言うことが可能で、それがゲームのアクセントとして効いていた。
アクセントといえば。。。
この座組で僕が一番買った、サダコの母とハーマン夫人(つまりサダコとバディのお母さん)の二役を演じた青山真利子。
ポジションはボランチ。
その攻守の切り替えの切れ味に惚れ惚れとした。
優しいサダコの母と厳しいバディの母を、不器用だが果敢にボールに挑み、懸命に身体を張って、決してラインを下げない汗のかきっぷりは、見事な「中盤の底」としての仕事でした。
トップとボランチの距離がコンパクトだったので、右サイドのグレッグ(姫地実加)、リー(水原葵)=ともにバディの友人、左サイドのヨシコ(長束直子)=サダコの同室の患者という3人の攻撃的MFの動きがとても自由になり、前線を追い越すシーンも多く、ゲームを制圧する一因となった。
GKには語り手であるよしこ(有賀ひろみ/OA)。二つの時空に属さない役柄は、唯一手を使えるキーパー的存在で、また大ベテランがゴールマウスに立つことで若いフィールドプレーヤーは自信を持ってピッチを駆け回ることができた。
DFは、サダコの父と教師(白幡大介/OA)、医師と先生(沖永正史/OA)、看護婦と義姉(瀧澤まどか)の3枚。
中でも白幡のオーバーラップは効果的で、闘莉王ばりの高さのあるヘディングは何度もゴールネットを揺すった。
上演時間1時間半。
原作/コーリン・トーマス
翻訳/吉原豊司
潤色/比佐 廉(東京スウィカ)
演出/磯村 純(青年座)
2009年2月12日(木)~22日(日)
文化座アトリエ
このブログを読んだ方、必見です。
幅広い年齢層にご覧いただける、普遍性のある作品。
なのだけれど・・・叶うなら多くの若者に見て欲しい舞台!と、あえて付け加えたい。
そのあたり、次回もう少し具体的に書こう。