麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

ハルメリ2013/黄砂とハルメリ

2013年03月12日 | 制作公演関連
一昨日は稽古場でも、
フェイスブック等でも、
黄砂の話題で埋め尽くされた。
目に見えるから、奴はまだいい。

昨日は「あの国難」から二年、
僕は慌ただしく日常を過ごした。
何もできずに自分事に追われて。
復興が進まないこと、
目に見えない放射能が
立ちはだかっていることは
判っていながら無力な自分。

※※※

「目に見えない」ハルメリという
「現象」が主人公ともいえる舞台は
今日初めての通し稽古。
ダブルキャストのメリ組。
舞台美術・加藤ちか、音響・鶴岡泰三、
衣裳・有島理生、振付・工藤美和子、
舞台監督・金安凌平とスタッフ陣も
見守る中の2時間22分☆

☆これは本日のタイムで
本番までにぐんぐん縮まります。


チラシも可愛くて

タイトルも弾んだイメージで
内容も一見「風俗劇」に
見えかねないが
現代を射抜た痛みを伴う作品に
また半歩近づいた三月十二日。

2007年、日本劇作家協会の
新人戯曲賞グランプリに
史上初の満場一致で輝きながら
上演の難しさから
初めての舞台化となる『ハルメリ』。
受賞から6年、改訂を施し
《2013》と銘打って、
いよいよ今月23日より。
二日目の日曜昼は売切必至です。

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じゃりじゃりの写真機

2013年03月11日 | 身辺雑記


工事現場です。
写っていませんが、この写メを撮る前、
現場監督が工事の進捗をパチパチしてました。

いや、その姿をみてパチりとしたってのが
順序としては正しいのだ。

米どころ出身の人が、田植えを見て
懐かしさを憶えるように、
重機の音や工業用油の匂いから
僕はある種の郷愁をそそられる。

父は土木建築業をなりわいとしていて
幼い頃、数えるほどだが、
仕事場について行ったことがある。

そして、そんな現場で、
学校の教室にある黒板に比べ
随分と小ぶりなやつや、
僕の竹製の30cm物差のおばけみたいなのを
地面の穴っぽこの横や、
解体した建物をバックに立てて
父は写真を撮っていた。

当時カメラは高級品だったが、
それは埃や砂にまみれていて、
ところどころ凹んでさえいた。

そしてそのカメラは、自家用車の
ダッシュボードや後部座席に
無造作に置かれていた。

そおっと手にして、
絞りやシャッターをいじると
ジャリジャリと引っ掛かるように動く。
その感触がまた、僕と父とを繋ぐ記憶。

高度経済成長期。
父は朝早く家を出るし、
僕の起きている時間に帰ることは少なく、
それどころか月に何度も徹夜があって、
ただそれが当たり前だと思っていたから
淋しくもなく、友人宅に遊びに行った時
夕刻にネクタイ姿のお父さんが
「ただいま」と子供部屋に顔を出すのに
違和感を覚えたほどだ。

父は健在で、まだ現役で働いている。
でも。そんなことを、ふと思った。
今日は3.11。

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ハルメリ2013/踊る

2013年03月10日 | 制作公演関連
我がマリノスが
開幕二連勝
得失点差で単独一位
好発進です

フォワードを大放出して心配されたが
なんと180分で9得点と、
伝統的に守りのチームなのに
攻撃陣が絶好調です。

まっ、戦いは始まったばかりですが

さて、一方。
本番近づく『ハルメリ2013』

昨日はメーリングリストを駆使した
ディスカッションについて
触れたけれど、生の人間同士
ぶつかりあって作品創りを
進めているのは言うまでもない。


昨日の「クラブ」の場面。
このシーンに登場する役者、
しない役者みんなで寄ってたかって
精度を高めて行きました。



役者A「今のは何点でしょ?」
演出「まだまだ15点」
役者B「ひ、低すぎねぇ」

何度か繰り返した後、

役者A「(息を切らして)今のは?」
演出「だいぶ良くなった。…55点」
全体からどよめき。
役者C「40もプラス」
役者B「元が低すぎだって…」



和やかな中にも厳しい稽古は続きます。
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ハルメリ2013/稽古場移動

2013年03月09日 | 制作公演関連
水天宮ピットのスタジオ1を
7日に引き払って、8日から
座・高円寺稽古場1にお引っ越し。
丸一日かけて《稽古場》を
舞台監督と役者有志でこしらえた。


並行して、男優陣は主に大道具を、
女優陣は小道具など作成。
所謂「おじいさんは山に芝刈りに
おばあさんは川に洗濯に」式の、
もう完全に「劇団」の動きです。

プロMは、主宰丸尾聡のもと、
劇団員は片手で足りるけれど、
何度も客演している準レギュラーに、
オーディションを勝ち抜き参加する面々、
さらに演劇界で活躍する中堅ベテランを
客演に招いての多重の輪による座組が
日々強固な関係を築いております。

特徴的なのは。
一部がダブルキャストな上に、
群衆シーンも多く、また映像も絡んで、
要するに稽古に時間が掛かるので
芝居の解釈等のコミュニケートに
メーリングリストを活用している点。

『ハルメリ』という作品自体に
デジタルなコミュニケーション
(書かれた時はチャットなどの
ツールが登場したが、2013年の
改訂版ではツイッターに置き換え)
が扱われており、この座組に
相応しいとも言えるのだが。

「おは、今何してる?」
「渋谷なう。映画しない?」
ってな活用ではなく、
「のし子の存在は、作品において…」
「ラストの女に希望があるかといえば…」
等々当たり前だが大変論理的な、
しかもかなりの長文が行き来する。
なるほど文明の利器の
すこぶる良い利用法だな~と
関心しちゃったりもしている。
開幕は二週間後。


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かんげきちゅうどく

2013年03月08日 | 鑑賞
昨日はマチネに中国の、
ソワレにドイツの芝居を観、
まさに「中独芝居づくし」の
言い方をかえれば「観劇中毒」な
一日となりました(;^_^A

古巣の劇団東演の
『長江―乗合い船』は
大変珍しい「中国現代劇」
。。。現代といっても
書かれたのは90年代半ば、
日本初演は1998年で、
以来全国で150を超える
ステージを積み上げた
劇団の財産演目の一つを、
2004年ぶりに再演した舞台。

演出が替わり、美術や音響等の
スタッフワークも新しくなりつつ
衣裳や小道具のところどころに
鈴木完一郎版を彷彿とさせる
欠片を残した舞台だった。

かたや東京演劇アンサンブルの
『忘却のキス』は、
現代ドイツを代表する
劇作家、小説家、エッセイストの
ボートー・シュトラウスの
98年の作品で本邦初演となる。

映像を駆使し、生の音楽
(クロマチック・アコーディオン)を
挿入した難解ながらポップな作品。

大抜擢となったヒロイン役の
山崎智子が健闘。

ヒロインといえば『長江』は
初演以来、米玲(ミーリン)役を
劇団若手女優の登竜門として
久瀬新子、青木成美、古田美奈子
とバトンが繋がり、
今回、落合咲野香の手に。

。。。この舞台には思い入れが
強いので別稿で詳しく書こう。

とにもかくにも。
世界を駆け回った気分な一日。
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ハルメリ2013/タイトルって?

2013年03月06日 | 制作公演関連
気付けば雛祭りも終わり、
『ハルメリ2013』は初日迄17日。
三週間を切りました。

総勢32名出演の舞台は、
とっても立体的。。。
まぁ演劇だから立体的に
決まっているのだけれど、
いわゆる皆のイメージする
「お芝居」よりも拡がりのある
作品という意味での立体的
。。。な舞台が稽古の中で
育まれています。


昨日は演出以下演出部が
打ち合わせで早く稽古場を出た。
写真は、役者達で
ディスカッションするの図。

さて。
今更ですが『ハルメリ』って?
と思う人は多いはず。
ところが説明不容易かつ
作品の肝でもあるので
伏せてもおきたいのだ。

今日も新聞社の担当と話して
「制作泣かせなんすよ」と
愚痴(?)めいて話してたほど。

それでも口を開けば、
ある特定の「もの」を指す
言葉ではなく「モード」的な
。。。それは最初からじゃなく、
徐々に変質しながら
多様な意味を持つ言葉
『ハルメリ』となって。。。
社会の中に位置していく。

その過程、あるいは断片を
舞台では描きます。

世の中と演劇する
オフィスプロジェクトM
『ハルメリ2013』
(作/黒川陽子、演出/丸尾聡)
3月23日(土)~27日(水)
座・高円寺1
春の劇場29
日本劇作家協会プログラム

チケット好評発売中!
詳しくは公式HP
http://www.promstate.com
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コーヒーフィルター

2013年03月04日 | 身辺雑記
制作の、劇場入りしてからの
仕事のひとつにお茶場がある。

(まぁ、これが制作の
カテゴリーかは個々や団体で
意見が岐れるだろうが)

最近困るのはコーヒーフィルターだ。
劇場にはコーヒーメーカーを
置いている有り難いところもあって、
勿論豆や砂糖など消耗品はこちら持ち。

で、豆は安くて大きいお徳用が
本当に簡単に手に入る。のに、
フィルターは2~4人用など
「家庭向」はあるのだけれど、
キャストスタッフ合わせて30人を
こえることの多い我々には
それじゃあ話になりないのだ

これもデフレスパイラルの一端だろう。
ニーズの少ない7~10人用みたいな
フィルターは仕入れずに価格を抑える。
逆の立場なら僕もそうするもんな~

てなわけで劇場周辺を探し歩く。
制作たる者、ただでは寒風の中
さまようはずはなく
アンテナを立ててきょろきょろと
終演後に行く気の利いた飲み屋だの、
舞台部からの急なリクエストに
応えられるよう金物屋だの
ついでに探しながら街を行く。

んなことせずとも。
事前に買っておけばいい話で
或いは店舗がそういう方向に特化し、
一方でネットがこういう要求を
クリアにしてくれるのだろう。
わかってはいるけれど。
劇場周辺を歩くのは、楽しい

※※※

前半部を公演中にメモ
つづきを書き始めたら、
まるであらぬ方向で話は終わった。
まあ、こーゆーこともある。




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年少者の仕事

2013年03月03日 | 身辺雑記
学校の部活動での体罰から
柔道のパワハラと続いて、
いわゆる「体育会系」への風当たりが
強くなったけれども、
それを語るのは今日ではないのです。

そこで語られる「理不尽な上下関係」は
勿論宜しくはないのですが、
ただ同時に、「当たり前の上下関係」は
存在し、またすべきなのです。

さて。すっかり歳をとって、
年長者側である時が多いわけですが、
グループ内で最年少になることが
ないことはないのです。

最近さぼりがちの、目上の方々に
気を遣って行動することは、
演劇制作をなりわいとする者には
さほど苦ではない。

が、先輩方が食べきれないものを
「若いのだから」と、片付ける業務が
寄る年波で近年厳しくなってきた。

この週末、たまさかそんな機会が重なり
お腹がぱつんぱつんである。

おいしいものを腹一杯食べられるのは
幸せだと言い聞かせながらも、
内臓機関は悲鳴をあげている。
それこそ「根性」では乗り越えられぬ
問題なのだ、これは……。

狙ったわけじゃなく、結果として
昨年の秋から体を絞ることになり
現在中学三年時の体重とウエストを
維持しているので、、、
胃も自然と小さくなっていた筈。
眠れぬ獅子が目を覚ましてしまったが
ちょい心配なのである。

何がどうして腹がぱんぱんかは、
別稿で具体的に語ります。

マリノス開幕好発進の翌日、
新百合ヶ丘のカフェより。
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オフの一日

2013年03月01日 | 身辺雑記
本日『ハルメリ2013』は稽古がありません。

そんな三月一日。
ある公演のお手伝いで疲労困憊、
遅い朝を決め込む妻を起こさぬよう
春一番強く吹く中、洗濯を決行した。
その間にインスタントスープに湯を注ぎ、
玉子を焼いて、フランスパンで朝御飯。

はすいけタイムス『BENT』2都市巡演の
チケットを作成し、二時からは
劇団銅羅『からまる法則』を観劇。

その道中の地下鉄で。
母と祖母と一緒の五六歳の女の子が、
二人の後ろに立っていた御婦人に
「おそろ~い」と歩み寄った。
ぎょっとする保護者二人。
「見知らぬ方に何を」と硬い表情で
女の子を追うと、確かにそこに
白地に黒の千鳥格子のコートを来た
二人の姿……四人の空気は途端にほころび
「大きいね~春から学校?」
にこにこ言う千鳥格子の婦人。
「まだ」
お揃いの少女は、はにかんで答える。
お祖母ちゃんが続けて
「年中さんだからあと一年幼稚園ね~」
と話の花が咲いた。

今朝のワイドショーでは河津桜が
この週末が見頃と伝えていたが、
『からまる~』の舞台にも桜の樹。

こちらの人間関係はからまっている。

さて車中のように、ほころびますやら?

劇団創立四十周年記念公演第七弾は
三月三日日曜日まで俳優座劇場にて。
。。。なのでネタバレを避けて、あとは後程。

観劇後、銀行へ振込に。
昨夜、遊戯空間主宰の篠本氏と
打ち合わせした際、手渡された請求書の処理。

そんなこんなのオフの一日でした。
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