たけじいの気まぐれブログ

記憶力減退爺さんの日記風備忘雑記録&フォト

「冬の海」(再)

2021年03月23日 09時44分30秒 | 詩・エッセイ

押入れや天袋、物置等に詰め込んで有る不要雑物整理を動ける間に出来る限りしようと決め、し始めてから久しいが、正直、一向に進まない。数年前のことだが、そんな雑物整理中に、M男の記憶からは 完全に喪失していた物が出てきた。M男が 若かりし頃、若気の至りで書きなぐっていた詩の類である。それは、不揃いの便箋やレポート用紙等に、バラバラと走り書きしたような物で、色褪せてカビ臭い茶封筒に詰まっていた。これまで何回も引っ越しをしたにも拘らず、押し込まれたままにきたようだった。そのまま、ゴミ箱行きになるような代物であったが、数十年ぶりに目にして、まるでタイムカプセルを開けるがごとしのある種感動さえ覚えてしまい、全てを捨て去る前に、「青春の思い出の欠片」等として、一度ブログに書き留めたことが有った。そんな古いブログ記事をコピペし、リメイクしてみよう等を思っているところだ。
詩、詩、詩、・・・、
後期高齢者の今のM男とっては、「冷や汗が出るような・・・」「ぞっとするような・・・」 気恥ずかしい、拙劣な詩の類ばかりであるが、原文のまま、恥も外聞もなく、居直りながら・・・・。
当時のM男には こんなメモみたいな詩が 数十年後にブログで他所様に公開される等、想像だに出来なかったことであり、今更ながら感慨深いものがある。 


「冬の海」 昭和38年12月

暗い水平線
幻想的な 神秘の海よ
その黒い底から むき出しの白い刃が
幾重にも連なって 迫って砕ける
不気味な旋律は 絶えずして
空と海とが 溶け合って舞い上がる
日は隠され そこだけが
何か暗示的な 不安を宿す
吹き付ける北西風に 松はしなり
冷たい雨が 激として 砂をける
大自然のたけり 力強い脈動に
いつしか 身も心も 引き締る
日本海の遠きより
やがて 宵闇迫り来て
その脈動を 包んでしまう
時として 白い刃が光り
ごうごうとする 砂浜をうかがう
我一人 たたずみてやまず
冬の海


記憶定かでないが どうも、年末の帰省の際、宵闇が迫り、北西の季節風で荒れ狂う日本海を、北陸本線鈍行の車窓から眺めながら、走り書きしたような気もしてくる。新幹線では とてもそんな風景等も目に止まらないかも知れないだろうなとも思ったりする。


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