たけじいの気まぐれブログ

記憶力減退爺さんの日記風備忘雑記録&フォト

「雄々しき夕映え」(再)

2021年09月17日 16時54分12秒 | 詩・エッセイ

 


7年も前にブログに書き込んでいた記事「雄々しき夕映え」を
コピペ、リメイク(再編集)してみた。


「雄々しき夕映え」(再)

記憶から完全に喪失していた物が、最近、不要雑物身辺整理中に出てきた。若かりし頃、若気の至りで、書きなぐっていたと思われる詩の類である。不揃いの便箋やレポート用紙等に、バラバラと走り書きしたような代物で、色褪せてカビ臭い茶封筒に詰まっていた。そのまま、ゴミ箱行きにすれば良さそうな物だが、数十年ぶりに目にして、タイムカプセルを開けるが如く、ある種、感動さえ覚えてしまい、全てを捨て去る前に、「青春の思い出の欠片」として ブログに書き留め置こう等と考えてしまった。今の爺さんには、気恥ずかしく、冷や汗が出るような、ぞっとするような、拙劣な詩の類ばかりだが、恥じも外聞もなく、そのまんま・・・・

その中の1枚に、「雄々しき夕映え」と題した詩(もどき)も入っていた。隅に、「昭和40年1月18日」の日付が記されており、今から56年も前に書いたもののようだ。更に、「松本に行ってきたのち、雪山が夕日に映えるの景を書く」と後記されており、記憶曖昧だが、学生の頃、一度 当時、松本市に在住していた親戚(母親の実父、義母)宅を訪ね、自分より歳下の叔母と、美ヶ原や美鈴湖等を巡った際の感動、印象、妄想を書き殴ったのかも知れない。
まさか 50数年後に、他人様に公開される等とは 当時、想像も出来なかった詩の類、よくもまあ、これまで仕舞い込んでいたものよ、我ながらあきれてしまっている。

「雄々しき夕映え」

薄紅いに染まった西空に
北アルプスの峰々の 
淡く やさしいシルエット
その静かなるたたづまいは
鏡に向かって 髪を解く 少女の面影
歯をむき出して 輝(きら)めいた稜線
その雄大な 白銀のスロープ
鮮やかに浮き彫られた 尾根と谷
そんな雄峰も 今はただ
紫雲たなびく 夕暮れに
ゆっくり 静かに包まれて
今日の美しい思い出を胸に秘めて
満ち足りた 休息の息遣い
女性的な 甘い調べを奏でながら
ロマンチックな色彩が
この世界に広がって
高台の我と ひとつになる。

(昭和40年1月18日)

 


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