古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

君の苦悩     鶴岡 卓哉

2021-03-24 09:53:41 | 詩・ポエム

№21



君の苦悩     

君は激しく嗚咽するように泣いている

心は突風の如く吹きすさんでいる

僕は助けることなどできやしないのだ

僕は無力で君の苦悩など分かろうはずもない

君はとても辛い思いをして湖底に沈みこんでいる

君は恋に破れたのかも知れないし

あるいは、誰かのトラップに嵌まり込んだのかもしれない

友情を無くして戸惑い狼狽え

愛情の裏切りを身をもって感じたのかも知れない

ああ、それがどんな理由であれ僕はその苦悩を

判じ得ないのだ、断罪などできるものか

君は君自身で既にそれを行おうとしている

ダメだ、それは存在するだけで君を蝕んだりしない

さらに成長させ、君を、その瞬間を美しくするのだ

僕はそれを知っているし、そしてまた僕は蝕まれ損なわれてしまったりしなかった

そう信じるし、失われてしまうことなどあり得ないのだ

理想はそう易々と手に入るものではないが

その嗚咽が理想へと君を近づけるのだ

 

 

 


寝たら、ランボーになって、町を破壊する夢をみたニャ!

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ポーク   鶴岡 卓哉

2021-03-22 14:44:45 | 詩・ポエム

ポーク   ・


ティシューペーパーを捨てたポーク

ポークは完璧なまでに人工スクランブル

バッドな夢の中でガリガリに飢えている

夢を食いながら果てしなく前進していく

赤い皿の上にいるのは油塗れのVツイン

Pを作ったときイライラしたポークたちを前に

色つきのジンジャーが水に溶ける

黒いのがドロドロ溢れ出してケーキの味がするんだ

まずいことに君たちは夢の中の中

インサイドのビートで満足するデジタルノイズみたい

クラクションの音はメタルグレーで染める

人々はポークの思考の中で踊る

レコードで四十八回転、死にながら走り続ける

ポーク!何色が好きなんだ!


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たとえば、俺とか彼女たち、とか   鶴岡 卓哉

2021-03-06 16:25:51 | 詩・ポエム

たとえば、俺とか彼女たち、とか  



彼女たちは快感を求める

冒険と無秩序が空を覆う頃

俺は空に星を見る

虚しさを取り戻すため

俺は一歩、漆黒の闇の中に踏み込む

 

 

 

 

夏の危険な遊びをしてる人たち……。

僕とはあまり縁がないですね。僕の

危険な遊びといえば、39円のコー

ラを飲むことぐらいですから……合掌。

 

 

オメーも暇だなあ?えっ?

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ヤツの住処    鶴岡 卓哉

2021-03-04 05:00:13 | 詩・ポエム

ヤツの住処  



ためらいと興奮のただ中にいて

俺は無秩序に並んだパーツのような気分

今にも破壊の大王が降臨しそうな空の下、俺はヤツを蔑んだ

崖の下にも木の幹の中にも土くれの中にもヤツはいた

そこは混沌の渦の爆発的生命の根源の一隅で

そここそヤツの住処だ


誰もお客さん来ないからって、拗ねちゃあだめニャン!(わけあって、今はギャラリーには不在ニャン!) 
  

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太陽のわめき    鶴岡 卓哉 

2021-03-03 11:56:08 | 詩・ポエム

太陽のわめき  


照りつける太陽が僕らを刺す

僕らの日常が非日常を誘う

僕らの行くところは何処にもないんだ

僕らの敵は心にいる

孤独なのは僕らではなく照りつける太陽だ




短い詩ですが、夏の詩ですね。きっと、
書いてるとき凄く暑かったんだと思い
ますよ……合掌。


俺様の背後から近寄るんじゃあねえぜ!

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フォークソング     鶴岡 卓哉

2021-03-02 11:22:37 | 詩・ポエム

フォークソング 



自由なる大地で自分を見つけるだろう、と僕に予言した老医者

拡大していく社会の中で孤立していく僕はむしろ寂しがり屋だ

自分が何者なのか分からないまま僕の心は彷徨う

世界では僕は無力でいつも通り無名だ

誰も助けてはくれないこの世界で僕は生きてかなきゃいけない

ああ、また僕は電車に乗り、会社の中で、社会の中で、忙殺の中で

故郷が何処なのか忘れてしまいそうになって僕は少し焦ったりする

故郷を想い、僕は転がる石のように旅立つ

故郷で待っていたのは幼い日々の数々の愚行と遊び場の残骸

ああ、ここに僕の影が落ちている

その影は昔の日々より少し大きく伸びている


ああ、怖い夢見た!(2019年にお亡くなりに。あばよ、現生!)

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縞模様のライオン      鶴岡 卓哉

2021-02-23 10:21:40 | 詩・ポエム

縞模様のライオン  



深く沈んだところで響いてる縞模様のライオンの吠え声

社会の掟で死を迎える俺

ヤツは裏世界を牛耳るキング

今日は生きぬいたが

明日は縞模様のライオンの吠え声を聞くかもしれないぜ

縞模様のライオンは世界の終わりを意味するんだ

世界ってのは〈生きてる〉を指すんだけどさ

深い底には縞模様のライオンがいて、俺たちの肉を貪り食うんだ


おい! 今日は本間のマグロを食わせろ! カリカリには飽きたからな!
(2018年に亡くなった飛び丸)

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ピアニストの猫のうた      鶴岡 卓哉

2021-02-20 10:57:01 | 詩・ポエム

ピアニストの猫のうた  



ベッドサイドのテーブルの上のアルコールは減り続けている

ドラムに合わせて指をコツコツと叩いている

最近というか、ずっと調子が出なくてね

ピアノは鈍く光るマジックををあなたにかけて、ド♯の音で

僕の隣には猫が尻尾を振りながら虚ろな歌をうたう
もうできない、と否定的な趣旨の歌詞だよ

君の言うことは正しかったかもしれない、素晴らしい時はいつも永遠の4/3

心配しないでいいよ、僕のことはだけど

とにかく、あの雑然とした興奮の中で過ごした日々のことは多分凄いことだった

君は風の吹くサキソフォンのように吹きまくり

あっという間に消えていなくなった

僕の元には君の拾った猫が一匹、ピアノの習得に余念がない

まるで僕の学習意欲のなさを笑い飛ばすかのように

まるで君が僕の為す術もないできごとを平気でやって笑い飛ばすかのように

猫の歌ううたは〈ドミソファラシドレ〉自由自在さ



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散乱7933        鶴岡 卓哉

2021-02-18 10:07:42 | 詩・ポエム

散乱7933  



放射される運命

影に隠れた死体の影の怯え

その犯罪者の心理は猥雑な台所の水垢

君は息をする屍のように柔らかだ、そして、硬い

復活した言葉の海の反乱の燃ゆる炎

その連結しない言葉は何を意味するのか?

分からないのは君が嘘をつくことだけだ

眼鏡の奥のその瞳に何が映像として反映していくのか

その刻は真実に触れるのと同じような甘美があった

捨てるのだ、全てのものを捨てろ!



松木謙蔵さんの著書のタイトルにもなった「白木槿(しろむくげ)」

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歌声      鶴岡 卓哉

2020-12-04 06:30:54 | 詩・ポエム
 

凍り付いた道で僕は立ち止まる



凍えそうな心で僕は立ち竦む



僕は完膚なきまでに叩きのめされた



僕は君の歌声を聞いたんだ



僕は耳を疑う、すべてが信じられないくらいに晴れ渡った



僕の心は一気に溶けていく



一歩一歩踏みしめて歩けることに気づく



そうだ、僕は君の歌声に救われたんだ



僕は二度と立ち止まったりしないだろう



延々と続く道を歩き続けるだろう


そう確信したんだ

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