古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

生命式       村田沙耶香

2020-08-04 15:24:10 | 村田沙耶香
河出書房新社      2009年~2018年

人間が人間をたべることは現実にはむずかしいらしい。

そういう死体をたべる部族もいたらしいが、みんなゲラ

ゲラ笑って狂ってしまったという。という、遺体をたべる

慣習のある世界を描いた生命式で幕を開ける、新たな

伝説となる短編集。

これはただならぬ短編集だ、と肝に銘じて、読み進める

が、どういうわけか、半ばくらいで、どーでもいーわ、読書?

そんなことどーでもえーわ的な気分に陥ってしまった、が、

後半は一気よみした。

「街を食べる」では、これまでの読書体験では得られなか

ったスリリングな文章でよませる。

コンピュータの内臓をみるような、ちょっと逆説的な見方

かもしれないが、そんな感じを抱いた。

性欲、セックス、物欲、料理といった、人間の根源的なこと

に村田女史の目はとことん優しく注がれてゆく。

ボクも村田女史の胸の中で、文学という胸に抱かれ眠り

たい、と狂気的に思いつめるのだった……合掌。

                 (鶴岡 卓哉)

























































    
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