角川文庫 1998年
このエッセイ集には枕詞みたいな引用があるが、
それに「毎晩 毎晩 不運に生まれつく者 毎朝
毎朝 幸せに生まれつく者」という引用がある。これ
は「デッドマン」というジム・ジャームッシュ監督
のもので、ぼくはジャームッシュ監督は大好きなので
このセンスに脱帽と言う感じだ。それも98年なので
最新作だったはずだ。きっとこの人は映像的にも鋭敏
なものをもたれているのだろうと思われる。
韓国人の家庭の人ということで、サイン会でおどされた
という。右翼と名乗る男からとあったが、何人たりとも
そんなおどしに屈しちゃだめだったんだ、と思う。
いつも韓国系の人はあたりが強くなってくる。作家にしても
妬み、が多いと思う。
いろいろ心に残った文章はあったのだが、吉川ひなの
女史に会った話が柳さんを物語るいいエピソードだろう。
プレゼントを必至の感じで服を用意して、それを
喜んでくれたひなの女史の姿を見て、すごく喜ぶ。この
素直な感じがなんとも微笑ましい。ぼくがそんなことを
したら、ただのスケベオヤジだけどね、チーン。