集英社 1979年
あなた、おげんきですか、おしあわせですか? と
宮城女史は聞いてくれる。読者を友だちと認識して
いるらしい。その1はオレンジ、その2はグリーン、
の装丁だ。美的な才能に溢れているらしい。ハハも
ねむの木の展覧会に数十年前にいったが、よかった、
と言っていた。ちょっとやそっとじゃ描けない絵だ、
ということだ。その2も、第三作の映画を撮り始める
あたりまでのことが描かれる。とにかく、この人は
いつも走り回り、疲れていた。三足も四足も仕事の
わらじを履いていたのだ。こういう人のことを、最近は
聞かなくなった、ヒューマニストというんだろうな。
(読了日 4・21(木)12:40 鶴岡 卓哉)