小学館 昭和60年
シーナ氏の初期の作品である。沢野画伯も冴えている。
おとぼけがすぎますよ。
シーナ氏と言えばうどん、ラーメン、海苔、のひとだと
思うのだ。長いものをこよなく愛す、長物好きの人。
それで、この本だが、おもしろいのだが、昭和ケーハク体
ともいうべき、消化の良さで、読後になにも残留しないというの
が、まことに正直にいいんですね。
無内容ってわけじゃあない、なにか、こう、サムシングを感じ
るんですが、邪魔にならないポップ感というかね。
そうそう、でもね、この巻末の対談は野菜論議なんだが、あん
まり対談的な表記は苦手なのね、ぼく。でね、内容もタマネギは
えらい、とかだしね。
このはっちゃけた文章のおもしろさ、というのは、神が
かっているね。まったく脱帽だよ。久しぶりにシーナ氏の
神髄を見た気がした。