「乳の海」所収。
復活しそうにないキリスト画。それは
グリュネワルトという人の作品でそれを
見に行ったらしい。
それとは別に市で穴のあいた像を見つけ
それが四十八のいばらを突きさす道具だと
いうのだ。それはオルガンと風力によって
動くらしく、僅かに少しずつ動くらしい。
それらは、藤原氏独特の文体で紡がれてゆく
ので、読んでみないと伝わらない。
それが、文体の本質だ。ぼくがどんなにうまい
具合いに要約しようと、その人の書いた本
を読まない限り、それは正確には伝わらない
のだ。
読んでみるに限るのだ。
(読了日 2024年2・13(火)14:30)
(鶴岡 卓哉)