古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

朝のパルス・山犬の夜    藤原新也

2024-04-20 03:00:13 | 藤原新也
「乳の海」所収。

「草塩温泉」という看板を見て、行ってみるも、

「今どきは民宿もやっておうんずう」ということ

らしい。そこで、毎晩赤マムシ酒を呑んでいると

イヤな夢ばかり見るので、よしにしてもらった。

「強かっつづら」らしい。そこで朝まだき、ねま

どろんでいると、甘いメロディが聞こえてくる。

0グラムの音、レモン・イエロー色のボイス。

それはSの声と楽曲だということが判明し、

ずっと草塩温泉から帰っても聞くのだ。

それは朝のラジオ体操の為に流れるもので、

夏休みの間中、行われるという。一方、これは

大きな音でスピーカーから山間に流れる「怨歌」

である。

移動スーパーの爆音なのだが、それと共に犬たちが

「叫び(クライ)」が谷に立ち上った、というんである。

その音に反応して、犬たちが遠吠えする。しかし、

S(松田聖子)には反応しないというんである。

(読了日 2024年2・16(金)14:30)
                (鶴岡 卓哉)



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