集英社 1983年
この「素敵な活字中毒者」椎名誠選 日本ペンクラブ
編の21編をみていこう、とこういう趣向である。
まずは、栄えある第一発目は山口瞳氏であり、氏は
「江分利満氏の優雅な生活」(読了済み)で直木賞を
獲った文豪である。
開高健大兄と切磋琢磨した、御大でもある。
この短編では自身の一日を追っている。午前十時ごろに
起き出し、新聞六紙をむさぼり読み、週刊誌は十五、六
種類、雑誌は三十種類を越すという。朝から晩までずっと
読み、TVで相撲、野球など気になるものを全部視る、
という生活態度。その間に来訪者を八人から十人相手にする
らしい。それだけでもタイヘンだろうに、なんという生活。
でも、自身は読書家ではないと言う。古典を読むのが本当
の読書家らしい。では、きっと、ぼくも読書家ではない、
とそういうことになるのだろうなあ。
(読了日 2024年11・22(金)17:30)
(鶴岡 卓哉)