古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

エロ事師たち

2019-03-07 06:07:31 | 小説の紹介
新潮文庫   昭和41年



活字エロがこんなに楽しいとは知らなかった。というか、バタイユや


アポリネールとは違った、日本独自のエロティシズムというものを野


坂氏はやってのけたといっていい。


例えば、オナニズムというのも、日本人は大好きな男女の行為である


が、カキヤという男はマスをかいて、心臓発作で死んでいる。このこ


と一つとっても、大爆死、神風である。日本男児を語る上で、爆死は


欠かせざるべき事柄であろう。それの亡骸の上で麻雀をやって弔いを


するとは、冗談というか、ユーモア溢れすぎですやん。


オチといったらいいのか、死にながら勃起しているという。インポテ


ンツの男の死への思いを痛切に皮肉っている。死というものに対する


冒涜でありながら、息女への狂気という形での殉教である、と思える。


全く、いや、野坂氏の遺書ともなった本書はすべての男へのバイブル


である。

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