文藝春秋 2003年
挿絵の沢野ひとし氏が冴え渡っている。この人の奇妙さ
っていうのは、ぐっと関心を引いたり、心を掴んだりする
なにかがあるように思う。それは線のくねくねであったり、
吹き出しのセリフの滑稽さにあったりする。
この「地球の裏の~」だが、尿酸値ばなしで、偉い人との
会合で食わないわけにはいかないシーナ氏の苦悩が描かれたり、
シメゴロシの木という奥アマゾンにある寄生樹で、絞め殺して
しまう木を紹介したり、考える雑誌について、考察したり
表題作の話では、チリのプンタアレナス「アヒ」というトウガラシ
をすりつぶしたのと「マヨネーズ」を合わせた「アヒマヨ」が流行
っていると紹介している。
本当にシーナ氏は世界中を渡り歩いているのだなあ、といつも通りに
感心しているおれっちだった。シーナ氏が神がかり的におもしろい
2003年の作品である。……合掌。
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