新潮文庫 平成二十一年
佐野女史が五十代の頃に書いたエッセイをまとめたもの。
マガジンハウスの刈谷さんが六十八歳の佐野さんのとこ
ろに来て、せっせと集めていた十数年前の雑誌とかに寄
稿したエッセイを持って来たという。
それを読んだ佐野氏は五十代は若い、青臭いと云って
いいと云う。ぼくも五十代だが、そうか、五十代は未だ
若いのか、やれやれ、と思った。それでも、出版を承知
した佐野女史だった。
佐野女史は人をけなすのも得意かもしれないが、褒めるの
もとてもうまいのだ。書評もとてもずばりと云う。そもそも
この人は本当のことを言い過ぎる。男だったらすっ飛んで
逃げるだろう。それを河合隼雄氏に言うと、「本当の
ことを言うと人は生きていけない」と云われたという。
全くその通りだよ。
ぼくは佐野女史のファンだが、西原恵理子女史の解説を
読み号泣してしまった。今年一番に泣いたと思う。
(読了日 2025年2・9(日)23:10)
(鶴岡 卓哉)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます