古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

恥辱    J・M・クッツェー

2022-08-18 08:56:16 | 本の紹介

鴻巣友季子・訳 早川書房   2000年

 

踏んだり蹴ったりな話だな、と思った。ひどい話だ。大学

 

教授、52歳が生徒を半ばレイプする、ってのも妙な話だ。

 

そんなインテリゲンチャが、イロキチみたいに描いている

 

こと自体がなにかを示唆しているとは思う。そして、話は

 

すすみ、娘の農園にお世話になると、そこで、隣りのペト

 

ラスに関わる男らに、強盗に入られる。これは、娘のルー

 

シーの土地を狙ったものらしいのだが、ここで、大学で

 

行った自分のしたレイプとダブってくる。因果応報という

 

やつか。ルーシーは男らにレイプされ身ごもってしまうん

 

だぜ、やれやれ。なぜ、そこまで、その土地にルーシーが

 

入れ込んでいるのかは説明がない。ヘンな話だ。そこまで、

 

土地にしがみつかなくてもいいのに。そして、元教授はどん

 

どん堕ちていく。ノーベル賞作家だというし、ブッカー賞を

 

獲っているというが、いやはや、南アが舞台の恥辱に満ちた

 

話だった。

 

                (鶴岡 卓哉)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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