古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

粋で野暮天 出久根達郎

2024-10-26 13:11:03 | 出久根達郎

文春文庫 平成10年

 

始め、猫派、犬派の見解で相違があったが、

 

つつがなく読み進めた。

 

本書は古本屋でもある、ぼくと同業の筆者が

 

出会った本について書いている。

 

さすがは本のプロ、その読む本も幅広い。

 

ひとつひとつ拾っていてはキリがないが、

 

例えば、お礼の声では、山城隆一氏のお別れ会

 

のご案内をいただいた、からに始まり、一切

 

啼かなかったオシボリと云う猫が、最後の

 

お別れになろうという時に、ニャーお、ニャーお

 

と二度大きな声でないたという、猫好きなら、涙

 

ぐんでしまう挿話だ。それぞれが5Pほどでまとめ

 

られていて、切れ味も鋭く、読み心地も爽やかだ。

 

この人はきっと、猫派なのだろう、と思う故、ぼくは

 

安心して読めるのであった。

 

(読了日 2024年10・6(日)12:10)

                (鶴岡 卓哉)


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