講談社文庫 1991年
日本文学には、たしかに病気文學というジャンルがあるらしい
が、これは飲酒文學とでもいったらいいのか。35歳で肝硬変に
なりそうになり、コーラ色になって、入院したときのことが描か
れている。
あとがき的に山田風太郎氏との対談がのっていて、ガンガン飲んでいて
ぜんぜん治ってへんやん、、52歳でしぬはずや、とツッコミを入れ
ておいた。
この小説では、ふらっと外にでて、呑んで帰ってくると、医師の赤河が
いて、遺体安置所にメチルアルコールを呑みに、連れていかれると、
17歳のその前の日にも喋ったりしていた少年が死んでいて、お前の
腐った20年をくれてやれよ、と言って殴り合いになる場面がグッと来た。
この小説の一番いい場面だ。
中島美代子女史の本を読みながらだったので、深く読めた。
吉川英治文学新人賞を獲った出世作でもある。……合掌。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます