古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

思い出の作家たち 三島由紀夫 ドナルド・キーン

2024-11-08 04:19:53 | 本の紹介

松宮史朗・訳 新潮文庫 平成17年

 

今回は三島由紀夫氏 をみてゆこう。ぼくは三十代の頃、

 

「葉隠入門」を座右の書として、ボロボロになってしま

 

うまで読み倒したほどだが、四十代になって、不意

 

に考えが変わり、ほっぽり出してしまった。

 

三島氏は夭折にすごい憧憬の念を抱いていたようだ。

 

若くして死ぬことを美と考えていたようだ。そこら辺が

 

ぼくと違うところだった。ぼくは長生きしたいと、

 

痛切に願うようになっていった。美に生きた三島氏

 

ならではの切腹と云う儀式をどう解釈するか? もう

 

書けなくなったからだ、とする大方の見解に、切腹

 

する前日まで「豊饒の海」を書いていた、と書き、

 

そうではなかったのでは、と暗に言っている。

 

自身美を追求する余り、夭折の道を突き進んだ三島。

 

金閣寺を燃やした青年と話したが、附け加えることは

 

なかった、と語った。美とは、人を惹き付けてやまない

 

究極の現代人のテーマだ。

 

(読了日 2024年10・8(火)23:15)

                (鶴岡 卓哉)

 


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