古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

思い出の作家たち 阿部公房 ドナルド・キーン

2024-11-09 02:02:27 | 本の紹介

松宮史朗・訳 新潮文庫 平成17年

 

今回は阿部公房氏を見て行こう。キーン氏と阿部氏の

 

初めての出会いは、一九六四(昭和三十九)年の秋。

 

「砂の女」の英訳本出版に当たって、ニューヨークに

 

安部氏が来ていて、コロンビア大学のキーン氏

 

の研究室を訪れ、この年、カンヌ映画祭の審査員特別賞を

 

獲った勅使河原宏氏が一緒だったという。そして、若い女

 

性がひとり通訳に伴って来ていたが、キーン氏は通訳なしで

 

喋ると言い、心外に感じたと云うことだ。

 

その女性は、なんとオノ・ヨーコ女史であったことを

 

 

数年後に知ることになる。

 

この時、三人を110丁目の中華料理屋にキーン氏は

 

案内したのだが、日本から戻ったばかりだったキーン氏

 

は時差ボケが抜けず、様子がヘンだったらしいのを

 

医学部出身の阿部氏は麻薬常習者と勘違いし、確信し、

 

それがのちの交際に暗い影を落とすことになるが、ある

 

酒席で誤解もすんなり解けて、無二の友人となった

 

という。その後、阿部氏は戯曲などを手掛けるが、

 

1993年に亡くなった、癌だったと云う。

 

(読了日 2024年10・11(金)21:55)

                (鶴岡 卓哉)

 

 


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