古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

エキゾティカ     中島らも

2020-12-07 09:06:54 | 小説の紹介

双葉文庫    1998年

 

おもしろいけど、字ちっさいなあ、と思いつつ

 

気づいたら読み終えていた。

 

ボクは、香港を舞台にした短編、聖母と胃袋、が

 

シャコ、うまそうなものを大量に際限なく喰らっ

 

てゆく。その様はあさましく、貪欲に生きたらも

 

さんをおもわせる。最後はツッコミを入れてくる、

 

痩せた男まで喰ってしまう。うーん、こういう小

 

説ってあるようで、ないんだよねえ、なんか、生

 

命力にあふれていて、文体からもこぼれ落ちそう

 

なくらいの油ギトギトの指がにゅっと出てきそう

 

な感じ。まったくでぶにはたまらない小説だ。

 

2004年に死にはったが、その破天荒な生き方は

 

誰にもまねできないだろう、いや、いま、こんな

 

ような人はでてこないだろうね……合掌。

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黒い邪悪     鶴岡 卓哉

2020-12-06 10:05:40 | ポエム

透明な言葉と透けてるパンツを穿いて

 

おまえを攫ってゆく

 

この街を出る頃には俺は誰からも信用される男

 

意味なんてあるはずもないのさ

 

俺の行動は心理学じゃはかれないぜ

 

迷いもなく戸惑いもない

 

俺は信念をもってる

 

黒い邪悪な塊が俺を誘う

 

そこはとてつもなくピュアだぜ

 

純粋な空気で俺は窒息しちまいそうだ

 

行列を作るリリシストの先頭に立って

 

喧騒の中、雄叫びをあげる

 

勝利だ、俺を下等な生物だと

 

罵倒したおまえは間違いだったんだ

 

俺は砂糖の入ったティーのように

 

おまえを飲み干すだろう

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マシン・シティ    鶴岡 卓哉

2020-12-05 03:07:24 | ポエム

日々、リアリティが喪失していく

 

僕がこの街に迷い込んでから

 

ショートケーキが故障中なんだ

 

なにもかも真実ではない街

 

僕は君の数字に恋をする

 

僕は取り込まれてる

 

ああ、僕がなくなってしまいそうだ

 

君のデジタルな細い薬指に夢中なんだ

 

僕はノイズから生まれたと信じ始めてる

 

僕のキスで覚醒した君は

 

(逃げて、逃げるのよ、思いっきり遠くへ)

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歌声      鶴岡 卓哉

2020-12-04 06:30:54 | 詩・ポエム
 

凍り付いた道で僕は立ち止まる



凍えそうな心で僕は立ち竦む



僕は完膚なきまでに叩きのめされた



僕は君の歌声を聞いたんだ



僕は耳を疑う、すべてが信じられないくらいに晴れ渡った



僕の心は一気に溶けていく



一歩一歩踏みしめて歩けることに気づく



そうだ、僕は君の歌声に救われたんだ



僕は二度と立ち止まったりしないだろう



延々と続く道を歩き続けるだろう


そう確信したんだ

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それ行け‼バックパッカーズ1 アジアの純愛  游人舎編

2020-12-03 06:06:14 | 本の紹介

小学館文庫   2000年

 

アジアでのバックパッカーのその土地土地での

 

恋愛を描いたもの。

 

折を見て、ちょっとずつ読んでいったので、完読

 

まで一か月ほどかかった。

 

それにしても、恋愛というのはなんなんだ、おれ

 

っちにはよぉわからんぞ。性欲がその大部分を支配

 

していると思うので、ボクはあんまり関係なくなっ

 

ちゃったかな。

 

老成した恋ならいいが、アジアでの恋というと、また

 

事情、状況が違ってくるのだろう。タイでの恋が多い

 

のだが、タイ人の娘というのは日本人の好みなのか、

 

ガードが緩いのか。バックパッカ-は90年代後半に

 

多く見られたと思うのだが、いまでもいるんだろうか。

 

タイ人はおろか、日本人にも目もくれられないおれっち、

 

どこにいっても、もてないもんはもてないんだろうね……

 

ぐすん、いいもん、いいもん、おれっちもいつかは、って

 

それはいつなんだぁぁぁい! ぐわし、そして、合掌。

 

 

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コンロ    鶴岡 卓哉

2020-12-02 06:52:14 | 詩・ポエム

僕はコンロに火を点けようとしている



ライ麦パンに赤飯を挟んだのを焼こうとしているのだ



その度にボッと爆発して僕の前髪を焦がす



それでも僕はコンロを点けようとしている



女は起きだしてきてコンロの火を一発で点ける



そのとき天使が舞い降りてくる時のような妙な音がして



僕は訝しく思うのだ

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キュンとしちゃだめですか?    益田ミリ

2020-12-01 02:38:45 | 益田 ミリ

文春文庫     2009年

 

40代に突入したばかりの益田女史のキュンについての

 

考察。まあ、この世の中にはいろんなキュンが転がって

 

いるものである。その視点のおもしろさがこの本には

 

ある。

 

文句ばかり言っているような女はイヤであり、この

 

ようにおじさんにもキュンとしてくれると、うれしく

 

なってしまう。っていうより、この本読んでるおれっち

 

にキュンとしてほしいわ。というと、なんだか、キュン

 

とできなくなってしまうんだろうね。

 

というおれっちは女性にキュンとくるのかととわれれば、

 

大抵の男はキュンとなんてしてないだろう。というより、

 

キュンとくるような女の子とお近づきになれる機会が

 

おまへんわ(なぜか大阪弁)。

 

キュンかあ、キュンなあ、ええなあ、キュン、キュン

 

したいなあ、というわけで、キュン探しの旅が始まる

 

おれっちでした、ぐわし……合掌。

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