映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

シン・ウルトラマン

2022年05月23日 | 映画(さ行)

元祖ウルトラマン世代こそ見るべき

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私が小学生の頃にTV放映された初代ウルトラマンは、
もちろん大好きで、夢中になってみていました。
むしろその後にぞろぞろ出てきた他のウルトラファミリーは良く知りませんけれど。
ではあるけれど、今さらこの年で「ウルトラマン」を見てもねえ・・・
というためらいはありました。
でも、斎藤工さんに西島秀俊さんですよ。
これは見ないではいられません。
なんだかんだいって「シン・ゴジラ」も見ましたしね。

 

謎の巨大生物が次々と現れ、その存在が日常となっている日本。
通常兵器が通じない禍威獣(本作中は「怪獣」ではなく「禍威獣」と表記されます)に対応するため、
スペシャリストを集めて「禍威獣特設対策室専従班」(=通称「禍特対」)が設立されます。
班長には田村(西島秀俊)。
作戦立案担当として神永(斎藤工)。

そんなある時、突如空から銀色の巨人が出現、
暴れていた禍威獣を倒してまた消え去ります。
果たしてこの巨人はどこから来た何者なのか・・・?

巨人対策として新たに分析官浅見(長澤まさみ)が配属され、
神永とバディを組むことになりますが、
なぜか神永は単独行動が多くてほとんどいない・・・。

そんなところへ、新たな外星人が登場し政府に接触を図るが・・・。

 

いまさら怪獣とウルトラマンの戦いを見たってしょうがないと思ってはいたのですが、
これが意外と“ちむどんどん”してしまいました。
なんでしょう、自分のなかに眠っていた憧れスイッチが入ってしまったのかも知れません。
各所に初代ウルトラマンへのリスペクトが見られて、
私のような年代にはまさにどストライクで響くのです。
若い方はどうか分かりませんが、これは見て良かったと、図らずも思いました。

「はみだし映画工房」のなかで、中井圭さんがおっしゃっていたのですが、
斎藤工さんはそのままで「宇宙人」っぽい、と。
確かに~。
何かそのたたずまいも言動もどこか人間離れしているというか、謎めいているというか、
そういう所がありますね。
だからこのたびの神永役がドンピシャリ。
変身カプセルを持つときの手の角度などもずいぶん研究されたそうでして、
その甲斐あって、カッコイイです。

田村班長の西島秀俊さんもまた、こういう上司のもとで働きたいと思わせる人物。
いいですよね~。

思わぬ人が巨大化するシーンもあるのですが、誰がそうなるかは秘密。
お楽しみにどうぞ。

単に怪獣対ウルトラマンという昔ながらの発想ならのんきに見ていられるけれど、
さらに一歩進んでこれが軍事利用の話になってくると、妙に身につまされる感じがします・・・。

<シネマフロンティアにて>

「シン・ウルトラマン」

2022年/日本/112分

監督:樋口真嗣

企画・脚本:庵野秀明

出演:斎藤工、西島秀俊、長澤まさみ、有岡大貴、早見あかり、山本耕史

 

初代ウルトラマンリスペクト度★★★★★

満足度★★★★☆