映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

サンドラの小さな家

2022年05月14日 | 映画(さ行)

それでも生きていこう

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原案・脚本共に主演のクレア・ダンが務めています。

二人の幼い娘を連れてDV夫の元から逃げ出したサンドラ。
公営住宅は長い順番待ち。
やむなくホテルでの仮住まい生活を続けています。
そんな時に彼女は小さな家を自分で建てるアイデアを思いつきます。
サンドラが清掃人として働いている家の庭を提供してもらえることになり、
建設業者エイドの協力を得て建築に取りかかります。
そんな中でも、週一回の面会のため、子どもたちを夫の元へ届けなければなりません。
でも夫には家の建築のことは内緒です。
しかし下の子が父の元に行くのを嫌がるようにもなり、
夫のサンドラのへの嫌がらせが続きます。

小さな家とはいっても女手一つとエイドだけではやはり無理。
けれど幾人か手伝ってくれる人が集まるようになり、
皆は「物作り」の楽しさを味わうようにもなっていきますね。
なんだか楽しそうでもあります。
でも、これを始めたきっかけが夫のDVというのはあまりにも切ない。

こんな状況でも、夫には子どもたちとの面会権があるというのが意外です。
まあ実際、子どもに対して暴力はなかったようですし、
幾ばくかの養育費も出しているということなんですね。
それにしても、妻に対する態度や仕打ちはあまりにもひどい。

とにかく早く子どもたちと自分だけが安心して住める家が欲しかった、
そのサンドラの一心だったわけです。

ところが・・・!
終盤の展開には唖然とさせられてしまいました。
そ、そんなあ・・・、という感じです。

それでもなお、未来は続いていく。
どんな人生にも、こんなことはあるものです。
それでも生きていく、生きていこう、ということですね。

<WOWOW視聴にて>

「サンドラの小さな家」

2020年/アイルランド、イギリス/97分

監督:フィリダ・ロイド

出演:クレア・ダン、ハリエット・ウォルター、コンリース・ヒル、
   イアン・ロイド・アンダーソン、ルビー・ローズ・オハラ

 

母の奮闘度★★★★★

DV夫度★★★★★

満足度★★★★☆