忘れ得ぬオードリー
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オードリー・ヘプバーンが63歳で亡くなってから30年とのこと。
え~、もうそんなにもなるのですね。
本作はそのオードリー・ヘプバーンの知られざる素顔に迫るドキュメンタリーです。
幼少期、父親が家族を捨てて出て行ってしまい、
ナチス占領下のオランダという過酷な環境で育ったオードリー。
バレエを学んでいて、夢はバレリーナだったけれども、
戦時下レッスンができず、完璧な技術が身についていなかったということで、
ちょっとした端役で映画などに出演しはじめます。
そして、初主演作「ローマの休日」でアカデミー主演女優賞を受賞。
映画スターとして輝かしいキャリアを築いていきます。
そんな傍ら、何度も結婚と離婚を繰り返していきます・・・。
幼い頃に父親が出ていってしまったこと、
その孤独と喪失感が彼女の中にいつまでもつきまとっていたのかもしれません。
結婚ではそんな気持ちが満たされることはなかったのか・・・。
また、ナチス占領下のオランダでは食糧事情も最悪。
彼女はこのときに飢えも経験しています。
そんな経験があったためか、彼女はユニセフの親善大使を務め、
飢餓に苦しむ地域を回ったりもしていますね。
ともあれ、オードリー・ヘプバーンの子どもの頃の事情はこの度初めて知りまして、
そういう歴史の生き証人的な時代の人だったんだー、と改めて認識した次第。
でもデビュー後の結婚や離婚を繰り返すような話は、
多くの女優さんが経験することでもあるし、
特に目新しい話でもなかったかなあ・・・と。
ちょうど同日、テレビで「ローマの休日」を放映していまして、
ここでの初々しくキュートなヘプバーンを見るだけで、彼女を忍ぶことができるし、
それで十分な気がしてしまいました。
<シアターキノにて>
「オードリー・ヘプバーン」
2020年/イギリス/100分
監督:ヘレナ・コーン
出演:オードリー・ヘプバーン、ショーン・ヘプバーン・ファーラー、
エマ・キャスリーン・ヘプバーン・ファーラー、クレア・ワイト・ケラー
満足度★★★☆☆