不真面目を貫くのも大変だ・・・
* * * * * * * * * * * *
放蕩の詩人と呼ばれるムーンドッグ(マシュー・マコノヒー)。
かつて一冊だけ出版した詩集が大成功を収め、天才と賞賛されました。
しかしその後は、富豪の妻に頼りパーティ三昧。
酒とマリファナと女に溺れる生活を続けています。
そんな彼が、娘の結婚式のために、妻のいる家に久々に戻ってきます。
ところが、あろうことか事故で妻が亡くなってしまう。
莫大な妻の遺産相続要件として
「新しい詩集を出版しなければならない」ということになっていました。
当面無一文になってしまったムーンドッグは・・・。
心を入れ替えて、詩作に励んだりはしません・・・!
相変わらず飲んだくれて、騒ぎを起こし、更生施設送りになったりする。
しかしおとなしくそんなところに入っている彼ではありませんが・・・。
元々自由気ままで、自堕落な放蕩生活を歌ったものが彼の詩だったわけです。
妻と結婚して、お金の心配がなくなり、遊び暮らす時には
詩を作ろうなどという気も起こらなかったのかも知れません。
しかし、彼の不真面目さは筋金入り。
お金も住むところもなくても、自堕落を押し通すところがすごい。
まさに、不真面目さにおいて「まじめ」なのです。
そしてこのときようやく彼の中に「詩」が生まれてくる。
めちゃくちゃならめちゃくちゃなりのスジとでも言いましょうか、
そこを通すところがある意味すごい、男の物語なのでした。
<WOWOW視聴にて>
「ビーチ・バム まじめに不真面目」
2019年/アメリカ/95分
監督:ハーモニー・コリン
出演:マシュー・マコノヒー、スヌープ・ドッグ、アイラ・フィッチャー、ステファニア・ラビー・オーウェン
不真面目度★★★★★
筋金入り度★★★★☆
満足度★★★☆☆