映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ゴールドボーイ

2024年11月23日 | 映画(か行)

人間のどこか大切な部分が欠落

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沖縄が舞台でありながら、薄ら寒い殺人ドラマ・・・。
原作はズー・ジンチェン「悪童たち」。

 

財閥の婿養子となった東昇(岡田将生)。
ある時、義理の両親(妻の両親)を断崖から突き落として殺害します。
本作はそれが冒頭シーン。
いきなりの岡田将生さんの悪人役にちょっと焦ります。

さてところが、偶然その現場を3人の少年少女がカメラでとらえてしまいます。
それぞれ複雑な家庭環境にある少年たち。
中でも頭脳明晰な安室朝陽(羽村仁成)が、
東を脅迫して大金を手に入れようと提案します。

少年たちは皆中学生。
中でも朝陽は成績優秀。
素行もよくて周囲の評判もよい。
ところが実は、人間性のどこか大切な部分が欠落しているようなのです。
少し前に、クラスメイトの自殺があったということなのですが・・・。

もうひとりは朝陽の幼馴染みの友人・上間浩。
そして浩の父の後妻の連れ子・上間夏月。
浩はいかにも悪ぶっている少年。
しかし、朝陽と比べると、ほんの不良でしかありません。
義理の妹である夏月とわけあって家出中。

この2人はつまり、朝陽のたくらみの捨て駒なのですが、
当人たちは友情だと信じて疑わない。

・・・とまあ、恐ろしい物語なのですよ。
昇も、あまりにも短絡的な殺人鬼ではありますが、それより一枚上手なのが朝陽。

こういうのはおそらく年齢とは関係ないのだけれど、
何しろ中学生の少年がそんなことを・・・という意外性におののかされてしまうのです。
だから、昇も相手を見くびって油断してしまう・・・。

ヤダヤダ・・・。
後味悪し。

 

<Amazon prime videoにて>

「ゴールドボーイ」

2023年/日本/129分

監督:金子修介

原作:ズー・ジンチェン「悪童たち」

脚本:港岳彦

出演:岡田将生、黒木華、羽村仁成、星乃あんな、前出燿志、北村一輝、江口洋介、松井玲奈

 

ワル度★★★★★

満足度★★★☆☆