映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい

2024年03月11日 | 映画(な行)

ぬいぐるみは、黙って受け入れてくれる

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京都にある大学の「ぬいぐるみサークル」。
「男らしさ」や「女らしさ」というノリが苦手な大学生・七森(細田佳央太)は、
そこで出会った同じ学部の麦戸(駒井蓮)と心を通わせます。
彼らを取り巻くサークルの人々のやさしさとは・・・?

さて、ここのぬいぐるみサークルというのは、
「ぬいぐるみを作る」のではなく、
「ぬいぐるみと話す」サークルなのでした。

各々が、ぬいぐるみに自分の語りたいことを話しかける、
つまり独り言ではありますが、そういう場所。
サークルのきまりで、他の人がぬいぐるみに話しかけることを聞いてはいけない
ということになっているので、
普段は各々イヤホンやヘッドホンなどをつけて音楽を聴くようにしているのです。

なぜわざわざそのような事をしているのか。

彼らは実際の人に向かい合って「語る」ことにためらいを感じるのですね。
自分が話したことで相手を不快にさせたり、
落ち込ませたりすることがあるとマズいと思うので・・・。
または、自分が変なヤツと思われたりするのもイヤ。
そもそも、語りかける相手がいない・・・などなど。

つまり、皆やさしいのでしょう。

七森は、「恋愛」というものがよくわからない。
人を友人として好きになることはあっても、
異性であれ同性であれ、性的な意味で愛したいという気持ちが起こらない。
そんな自分の方がおかしいのか?と思い、
サークルの1人と付き合ってみたりもするのですが・・・。

こういうのを何というのでしたっけ。
以前NHKのドラマにもあったなあ。
あ、アセクシュアルでした!
人の心の有りようは本当に様々で、
そして、どんなあり方だってOKなんですね。
自分らしく生きましょう。

でも、自分の思いは、ぬいぐるみに語りかけるのも良いけれど、
やっぱり実際の人に語りかけるのもいい。
少なくとも、ここのサークルの皆さんは、聞いてくれそう・・・。

<WOWOW視聴にて>

「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」

2023年/日本/109分

監督:金子由里奈

原作:大前粟生

脚本:金子鈴幸、金子由里奈

出演:細田佳央太、駒井蓮、新谷ゆづみ、細川岳、真魚

やさしさ度★★★★★

満足度★★★.5



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