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「ふしぎの国のアリス」ルイス・キャロル

2023年12月25日 | 福音館古典童話シリーズ

無意味でナンセンスではあるけれど

 

 

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チョッキを着たへんてこなウサギのあとを追って、
不思議な世界に迷いこんだアリスが経験する、奇妙なできごと……。
ナンセンスとユーモアにあふれた永遠の古典童話です。

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福音館古典童話シリーズ 第4巻。

古典童話としては最も有名なものの一つかも知れません。
これも私、幼い頃にダイジェスト版の絵本でしか読んだことがなかったかも。
一冊としては意外な薄さでした。

特に内容を紹介する必要もないと思いますが、
でも読んでみるとことさらに無意味でナンセンスに思われます・・・。

 

本作が描かれたのは、1865年。
意外にも、先日読んだ「ピノッキオの冒険」よりも前ではありませんか!!
つまり、当時の物語というのは「ピノキオ」のように教訓的なものがほとんど。

そんなところに登場したこの物語。
独創的で画期的。
全く現実的ではない、空想の、つじつまの合わない物語。
訳者が後書きで言っていますが
「子どものためになることを教え、大人の世界に組み入れようとする、
わざとらしい意図から離れた、純粋な空想の世界」
が、ここにあります。
当時、どれだけ子どもたちの心を刺激したことでしょう。

そして、私自身このような空想世界を楽しむ柔軟な心を
かなり損なってしまっていることにも、この度気づかされてしまいました・・・。

ヤレヤレ・・・。
教訓的な話はイヤで、かといって空想的過ぎる話もダメなのね・・・。

まあしかし、このような話の意義を再確認できたということで、
ヨシとしましょう。

 

それと、訳者が言っていることで、もう一つ納得してしまったのは、
原文の作者特有の「かばん語(ふたつの単語を一つに重ねて作る言葉)」、
なぞなぞや語呂合わせ、造語の類いが日本語にしにくいこと。
そのために面白さが半減してしまうのだ、と。
分ります。
そうですよね。
これを楽しむには、うんと英語を勉強して原文を読むほかありません!!

でもまあしかし、本巻は、挿絵を原本初版時のものを
そのまま製版して用いているとのことで、これぞアリス、チェシャ猫
・・・という本物をじっくり味わえるのは、幸いなことです。

 

それと、著者ルイス・キャロルは、文学者ではなく数学教授であったとのことで・・・。
本作の構成も見ようによっては数学的な意図や配列があるやもしれず・・・、
そんなことでいまだに様々な分野で研究材料になっているようです。

図書館蔵書にて

<福音館古典童話シリーズ>
「ふしぎな国のアリス」

ルイス・キャロル 生野幸吉訳 福音館書店

満足度★★★☆☆



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