初めて読んだときのワクワクが懐かしい
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福音館古典童話シリーズ 第2巻
長い間、多くの読者に愛されてきた作品の新訳決定版。
逆境にめげず、常に前向きに生きてゆく主人公ジュディーの快活なユーモア、純真な心は、
永遠に読者の中で生き続けるでしょう。
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福音館古典童話シリーズ 第2巻 です。
これはさしてボリュームもないのでするすると読めてしまいました。
しかし、本作については私も内容はしっかりと覚えております。
孤児院で育ったジュディーが匿名の「あしながおじさん」の援助を受けて、
大学に進み、勉学に励みながら、様々な人と出会い経験を積んでいきます。
持ち前のポジティブさも忘れない。
文章はすべてジュディーがあしながおじさんに向けた手紙文からなっています。
文章を書くのが大好きなジュディーは、手紙はちっとも苦ではないけれど、
当のご本人からは決して返事がなく、実際相手がどんな人物なのか
全く分からないのが不満なのです。
そんなジュディーが、同僚の女子の叔父さんにあたるジャービーという青年と
ときおり顔を合わすようになり、惹かれていきます。
あしながおじさんの正体が分かるのは本当に最後の最後。
でも、当然ながら、そこはもうしっかり記憶に刻まれているので、
私、読み手としては驚きも半減どころか、全くありません・・・。
初めての時のワクワク感がないのが実に残念!
そういう記憶をまっさらにしてこの物語を読んでみたいと、切に思います。
ま、初めて読んだときの感動を思い返しつつ・・・。
著者ジーン・ウェブスターはニューヨーク州生まれ。
母親は、マーク・トウェインの姪に当たるそうで。
1912年、36歳で「あしながおじさん」を書き一躍有名になり、
1915年には「続あしながおじさん」を出版。
その年に結婚をし、翌年女子を出産するも、翌日亡くなったとのこと。
39歳・・・。
この結婚相手とのことも、まるでドラマのようでもあり、
どこかで映画化されてもおかしくない気がします・・・。
こうした著者の人生のことは忘れられていくけれど、
作品はいつまでも「生きて」行くわけですね。
「あしながおじさん」J・ウェブスター 坪井郁美訳
福音館古典童話シリーズ 第2巻
満足度★★★★☆
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