映画と本の『たんぽぽ館』

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リスタートはただいまのあとで

2022年11月22日 | 映画(ら行)

心地よい成長物語

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同名BLコミックの実写映画化。

東京の会社に就職し、上司に人間性を否定されて、
会社を辞めて10年ぶりに故郷に帰ってきた光臣(古川雄輝)。
気軽に、親の家業である家具職人を継ごうかと思っていたのですが、
父(甲本雅裕)には拒否されてしまいます。

光臣がここへ帰るなり出会ったのは、
近所で農園を営む熊井のじいちゃんの養子・大和(竜星涼)。
人なつっこくてなれなれしく、お節介な大和を、光臣は苦手に思っていたのですが、
結局、光臣は人手不足の農園を手伝うことに。
大和と過ごす時間が増え、光臣は次第に大和に親しみを覚えていきます。

ツンデレ男子光臣と、おっとり男子大和、この2人の純愛。
これはまあ、BLでなくても友情としてもステキな物語でした。

いつもニコニコ笑顔の大和。
彼には親がいなくて、養護施設で育ったのです。
でも彼にはそういう影がない。
・・・というのは見せかけで、実はその笑顔は、
他人が自分の内面に踏み込んでこないようにするための「壁」だったのですね。

大和と同級生の友人は、チャラくてあまり信用がおけない感じなのですが、
その彼が、大和のそういうところをしっかり見抜いていた、
というのがなんともナイスでした。

光臣の父は、光臣が東京から逃げ帰り、
安易な気持ちで店を継ぐなどと言っていることがわかるので、あえて拒否していたのです。
けれど、大和と向き合うようになって、光臣も成長していきますね。
なかなか心地のよい成長物語でした。

竜星涼さんの若い頃の作品?などと思って見ていたのですが、
2020年と、そんなに古い作品ではありませんでした。
朝ドラのダメ兄ちゃんのイメージは全くありません。
役者さんって、そういうものですね。

<Amazon prime videoにて>

「リスタートはただいまのあとで」

2020年/日本/99分

監督:井上竜太

原作:ココミ

出演:古川雄輝、竜星涼、村川絵梨、佐野岳、甲本雅裕、中島ひろ子

 

BL度★★★☆☆

成長度★★★★☆

満足度★★★★☆

 



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