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ホビット 決戦のゆくえ

2015年08月28日 | 映画(は行)
莫大な財宝が解き放たれる時



* * * * * * * * * *

ホビット、シリーズ3部作最終章。
前作で竜のスマウグが眠りから覚めて復活。
ふたたび湖の町に襲いかかる。
しかしバルドの放つ矢に撃ちぬかれ・・・。
このスペクタクルシーンが冒頭。
意外にもあっさりとスマウグは倒れてしまいます。
しかし実はこのことは
本作で語られることのほんの前哨であったことがわかります。
竜が倒れれば平和が戻るのか・・・。
否!!



それは竜が守っていたエレボールの莫大な財宝が
解き放たれたことを意味するのです。
信頼の厚いドワーフ部族の長であったはずのトーリンは、
友情や名誉を犠牲にしても財宝を守ろうとする“竜の病”に侵されてしまう。
そして湖の民やエルフたちまでもが
金を目当てに押し寄せてくる。
これって逆に言うと竜がこれまで平和を守っていたようにも思えてしまいます。
人、いえ、人のみならず生きるものすべての“欲”こそが、
災いの種ということですね。
さすが、長く読み継がれてきた物語は深いです。



そしてまたエレボールの門前で欲にまみれた彼らが一触即発の時、
冥王サウロンに操られたオークの大群が押し寄せる。
5つ巴の大混戦スペクタクル。
いやあ、さすがに最終章を飾るにふさわしい。
こういうところは劇場の大スクリーンでみるべきでしたね・・・、
残念。



しかしこのような混乱のさなか、
ホビットのビルボはあくまでも友を思い信念の道を行きます。
トーリンとの友情を信じ、アーケン石をエルフと人間たちに引き渡してしまいながらも、
再びトーリンのもとに戻るなどという大胆なことを・・・。
でもそれこそが彼らしいのですね。
殺伐とした戦闘シーンばかりが続く本作の、
唯一心が熱くなるシーン。



レゴラスは相変わらず身軽でカッコイイです。
崩れ落ちる岩を足場にピョンピョンと渡り歩く離れ業。
ラストの方では「ロード・オブ・ザ・リング」につながる旅のことも匂わせるところがまた心にくい。

ホビット 決戦のゆくえ ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産/3枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]
イアン・マッケラン,マーティン・フリーマン,リチャード・アーミティッジ,エバンジェリン・リリー,リー・ペイス
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント


「ホビット 決戦のゆくえ」
2014年/アメリカ/145分
監督:ピーター・ジャクソン
出演:イアン・マッケラン、マーティン・フリーマン、リチャード・アーミテージ、エヴァンジェリン・リリー、リー・ペイス

スペクタクル度★★★★★
満足度★★★★☆


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