映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「お探し物は図書室まで」青山美智子

2023年04月22日 | 本(その他)

進むべき道に迷ったら・・・

 

 

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2021年本屋大賞第2位!!

「お探し物は、本ですか? 仕事ですか? 人生ですか?」

仕事や人生に行き詰まりを感じている5人が訪れた、町の小さな図書室。
彼らの背中を、不愛想だけど聞き上手な司書さんが、
思いもよらない本のセレクトと可愛い付録で、後押しします。
自分が本当に「探している物」に気がつき、
明日への活力が満ちていくハートウォーミング小説。

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仕事や人生に行き詰まりを感じている人たちが、
ふと訪れた町のコミュニティハウス内の図書室で、
風変わりな司書さんから思いがけない本のセレクトと、ちいさな「付録」をもらい、
自分の探しているものを見つけ出すというストーリー。
主人公を変えた短編連作形式となっています。

 

なんと言っても、ここに登場する司書さんがユニーク。
一目見てぎょっとするような大きな女性。

ある人は、ベイマックスのようだと思い、
またある人はマシュマロマンのようだと思う。
そしてまたある老人は、鏡餅のようだと思う。
どう連想するかで、その人の年齢や志向が想像されるのが楽しいですね。
私ならさしずめ、マツコ・デラックスみたいと思うかもしれないけれど、
まあそれだとリアルすぎるか・・・。
ともかくこの方が、依頼者と少しの会話を交わすやいなや、
タタタタとキーボードを打って、瞬く間にヒントとなる本を探し当て、
そしてなぜか一つの「付録」をつけてくれる。
それは羊毛フェルトで作ったマスコットのようなもの。
彼女はその大きな体に似合わず、ちまちまと小さなフェルト手芸を作っているのでした。
不思議とその小さなアイテムが、依頼者の心に寄り添っていくのです。

 

結局はこの司書さんが、カウンセリングをするというわけでもなく、
人々は自分で答えを導き出していくわけですが、
そんなところもまた、読み応えがあります。

確かに、いかにも「本屋大賞」っぽいお話。

っぽすぎるから、一位ではないのだろうな・・・。

 

「お探し物は図書室まで」青山美智子 ポプラ文庫

満足度★★★★☆

 



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