“祈りの”映画
* * * * * * * * * *
やー、やっと見ることができたね。
わざわざ、平日に休暇をとってまで見たんだね。
あっ、し、し~っ・・・!
ないしょなんだよ・・・。
え~、いいでしょ、正当な休暇なんだから。
けどなんか後ろめたいじゃない。
こほん。
えーと本作はね、昨年2013年9月に初公開されてるんだけど、
その後地道に地方を回っていて、やっと札幌までたどり着いたんだよ。
そういうまさにミニシアター系作品。
西島秀俊さん出演だから、絶対見ようと思っていたのだけれど、
シアターキノでも一日一回だけの上映で、
どうしても他の見たい作品とのスケジュールが合わなくて、見逃していたのです。
でも昨日、次の週末をまたず終了してしまうというのを知って、慌ててしまったわけ。
で、急きょ仕事早退して見に行ったのだな、これが。
めったにないことだけど、実はこういうの密かにすご~く楽しかったりするね!
そうなんだなあ・・・、自分にとっては非日常の出来事で、なんだか格別でした!!
いつもってわけにはいかないけど、年に一回ぐらいはいいんじゃないって感じ?
さて、前置きが長くなってしまった。
本作は福島県奥会津が舞台、というのもまた感慨深いんだよね。
西島秀俊さんと会津というのも縁があるし、昨年、私も会津には行ったからねえ。
まあその会津若松とはちょっと離れているけど、
福島県大沼郡昭和村の旧喰丸小学校を借りて撮影したそうです。
その廃校となった学校に、元校長先生(坂本長利)が校舎を修繕しながら暮らしていた。
けれどとうとう校舎が解体されることに決まったんだね。
そこへ、校舎に保管された遺跡出土品の調査のために、
博物館職員・野田(西島秀俊)が訪れる。
かつてこの学校で学んでいた野田は、
閉校式の日に埋めたタイムカプセルのことを気にしているようなのだけれど・・・。
かつて学校で使っていた机や椅子、教材、いろいろなものがそのまま残っているよね。
だからすご~く懐かしい感じがする。
これもかつて教室で使っていたのであろうレコードプレーヤーがあって、
外のスピーカーで音を流して、美しく色づく大イチョウの樹の下でコーヒーを飲む。
・・・いやあ、なんて贅沢なんでしょ。
校長先生は言う。
「私はここで、これまで生きてきた人とこれから生きていく人を見守っているのだ。」
本作にはこの学校だけでなくて、かつて賑わっていただろう映画館も登場するね。
自然に囲まれた小さな村の人の営み。
それも今はすっかり寂れてしまい、住む人もほとんどが老人。
今の日本はどこもそんな風・・・。
けれど、過ぎた日のノスタルジーだけではない。
この作品はこれから生きていく人々に向けた“祈り”の映画なのだろうと思う。
そう、本作のキーワードは“折り鶴”だもんね。
そういうところでは、先日見た「野のなななのか」にも似ている気がする。
そうだね。
死にゆく老人・・・けれどその人のかつての“生”へ向けてのリスペクトがあって、祈りがあって、
その“祈り”というのは死者へ向けると共に、
今後生きていく人たちへも向けられる・・・という感じ。
確かに似ています。
でもインパクトはやっぱり「なななのか」のほうがスゴイ!
この“祈り”は、本作の成り立ちからも伺われるんだよ。
はじめに企画が立ち上がったのが2009年とのこと。
けれど、いろいろな事情で中断やら延期やら・・・。
2011年5月に撮影再開を予定したところで、その3月にあの大震災で、また延期。
撮影を本当に再開したのがその11月ということでした。
作中震災のことには一言も触れていないけれども、福島ということもあって、
震災の被害者に向けた“祈り”の意味合いは強いと思う。
8ミリの撮影機に、映写機。
本作には必須のアイテムだったね。
今ではほとんど見られなくなってしまいました・・・。
西島秀俊さんの役どころは、寡黙な博物館職員。
小学生の頃は、ちょっとヒネたところがあったらしく・・・。
「タバコスパスパのタカビーなヤツ」よりは似合ってるというか元々のイメージだけどな。
それから本作中の「人形劇」の人形がすばらしく艶めかしかったよね。
うん、すごかった。
そういうところから一種独特の雰囲気が生まれてる。
夢を見ているような作品でもあるな・・・。
2013年/日本/132分
監督:坪川拓史
出演:西島秀俊、倍賞千恵子、坂本長利、守田比呂也、水橋研二
祈り度★★★★☆
西島秀俊の魅力度★★★★☆
満足度★★★★☆
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やー、やっと見ることができたね。
わざわざ、平日に休暇をとってまで見たんだね。
あっ、し、し~っ・・・!
ないしょなんだよ・・・。
え~、いいでしょ、正当な休暇なんだから。
けどなんか後ろめたいじゃない。
こほん。
えーと本作はね、昨年2013年9月に初公開されてるんだけど、
その後地道に地方を回っていて、やっと札幌までたどり着いたんだよ。
そういうまさにミニシアター系作品。
西島秀俊さん出演だから、絶対見ようと思っていたのだけれど、
シアターキノでも一日一回だけの上映で、
どうしても他の見たい作品とのスケジュールが合わなくて、見逃していたのです。
でも昨日、次の週末をまたず終了してしまうというのを知って、慌ててしまったわけ。
で、急きょ仕事早退して見に行ったのだな、これが。
めったにないことだけど、実はこういうの密かにすご~く楽しかったりするね!
そうなんだなあ・・・、自分にとっては非日常の出来事で、なんだか格別でした!!
いつもってわけにはいかないけど、年に一回ぐらいはいいんじゃないって感じ?
さて、前置きが長くなってしまった。
本作は福島県奥会津が舞台、というのもまた感慨深いんだよね。
西島秀俊さんと会津というのも縁があるし、昨年、私も会津には行ったからねえ。
まあその会津若松とはちょっと離れているけど、
福島県大沼郡昭和村の旧喰丸小学校を借りて撮影したそうです。
その廃校となった学校に、元校長先生(坂本長利)が校舎を修繕しながら暮らしていた。
けれどとうとう校舎が解体されることに決まったんだね。
そこへ、校舎に保管された遺跡出土品の調査のために、
博物館職員・野田(西島秀俊)が訪れる。
かつてこの学校で学んでいた野田は、
閉校式の日に埋めたタイムカプセルのことを気にしているようなのだけれど・・・。
かつて学校で使っていた机や椅子、教材、いろいろなものがそのまま残っているよね。
だからすご~く懐かしい感じがする。
これもかつて教室で使っていたのであろうレコードプレーヤーがあって、
外のスピーカーで音を流して、美しく色づく大イチョウの樹の下でコーヒーを飲む。
・・・いやあ、なんて贅沢なんでしょ。
校長先生は言う。
「私はここで、これまで生きてきた人とこれから生きていく人を見守っているのだ。」
本作にはこの学校だけでなくて、かつて賑わっていただろう映画館も登場するね。
自然に囲まれた小さな村の人の営み。
それも今はすっかり寂れてしまい、住む人もほとんどが老人。
今の日本はどこもそんな風・・・。
けれど、過ぎた日のノスタルジーだけではない。
この作品はこれから生きていく人々に向けた“祈り”の映画なのだろうと思う。
そう、本作のキーワードは“折り鶴”だもんね。
そういうところでは、先日見た「野のなななのか」にも似ている気がする。
そうだね。
死にゆく老人・・・けれどその人のかつての“生”へ向けてのリスペクトがあって、祈りがあって、
その“祈り”というのは死者へ向けると共に、
今後生きていく人たちへも向けられる・・・という感じ。
確かに似ています。
でもインパクトはやっぱり「なななのか」のほうがスゴイ!
この“祈り”は、本作の成り立ちからも伺われるんだよ。
はじめに企画が立ち上がったのが2009年とのこと。
けれど、いろいろな事情で中断やら延期やら・・・。
2011年5月に撮影再開を予定したところで、その3月にあの大震災で、また延期。
撮影を本当に再開したのがその11月ということでした。
作中震災のことには一言も触れていないけれども、福島ということもあって、
震災の被害者に向けた“祈り”の意味合いは強いと思う。
8ミリの撮影機に、映写機。
本作には必須のアイテムだったね。
今ではほとんど見られなくなってしまいました・・・。
西島秀俊さんの役どころは、寡黙な博物館職員。
小学生の頃は、ちょっとヒネたところがあったらしく・・・。
「タバコスパスパのタカビーなヤツ」よりは似合ってるというか元々のイメージだけどな。
それから本作中の「人形劇」の人形がすばらしく艶めかしかったよね。
うん、すごかった。
そういうところから一種独特の雰囲気が生まれてる。
夢を見ているような作品でもあるな・・・。
2013年/日本/132分
監督:坪川拓史
出演:西島秀俊、倍賞千恵子、坂本長利、守田比呂也、水橋研二
祈り度★★★★☆
西島秀俊の魅力度★★★★☆
満足度★★★★☆
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