映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「1日10分のごほうび」赤川次郎他

2020年12月31日 | 本(その他)

短編もあなどれない

 

 

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NHK WORLD-JAPANのラジオ番組で、
世界17言語に翻訳して朗読された小説のなかから、
人気作家8名の作品を収録。
好評シリーズ第二弾。
亡き妻のレシピ帳から在りし日の姿を想う老夫。
対照的な生き方をしている女友達からの贈り物。
大御所・赤川次郎×新鋭・田丸雅智のショートショート読み比べも愉しい一冊。
きっとお気に入りの作品が見つかるはず!

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ということで、シリーズ2冊目。
今回の執筆者は

赤川次郎、江國香織、角田光代、田丸雅智、
中島京子、原田マハ、森浩美、吉本ばなな(敬称略)

 

角田光代さん「旅する本」は、一冊の同じ本を、
年月を経て旅先(しかも海外)で再び、三たび手にするという物語。
同じ本なのに、読むたびに違う感慨が浮かんでくるその本。
本来本というのはそうしたものなのかもしれません。

 

中島京子さん「妻が椎茸だったころ」は、
仕事を定年退職した途端に妻を亡くした男性が、
料理を始めるようになる話ですが、
その亡くなった妻のレシピノートに
「自分が椎茸だったころ」という一文を見つけるのです。

 

実はこの2篇、以前それぞれの短編集で読んでいて、
中でも印象に残っていた作品でした。
この度この本を読んでも、やはりいちばん好きなのはこの2作。

短編って、あまり記憶に残らないと思っていたのですが、
こうしてみると短いながらも
しっかり胸の中に根を下ろす作品というのがあるものなんですね。

 

この2作はどこか不思議なようでいて、なんだかしっくりと納得できてしまう、
著者の感性が伝わるようなステキな作品なのです。

 

 

「1日10分のごほうび」赤川次郎他 双葉文庫

満足度★★★★☆

 



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