映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

鳩の撃退法

2021年09月15日 | 映画(は行)

読書体験すべき作品

* * * * * * * * * * * *

本作は、原作本がすごく好きだったので、まあ一応見ておこうかな、と。

かつて直木賞を受賞した小説家・津田伸一(藤原竜也)は、
新作をしばらく描けていません。
いまはデリヘル嬢の送り迎えをして、生活をしています。
そんな彼が最近、編集者の鳥飼(土屋太鳳)に、執筆中の新作を見せ始めます。

その内容は、フィクションと津田は言うのですが、
彼の身の回りの出来事がそっくりそのまま描かれているようでもある。

津田とコーヒーショップで出会った日に失踪したバーのマスター。

津田が古書店店主に託された鞄の中の3000万円の札束。(ニセ札?)

それらはどうやら裏社会を仕切る“あの人”につながっていくようなのだけれど・・・。
そして何やら津田の身の危険も迫ってきている。
いや、そもそもどこまでが津田の物語で、
どこまでが実際に起こっていることなのやら、次第に混沌としてきます。

私、本作の津田役が藤原竜也さんと知ったときにちょっと残念な気がしたのです。
津田には、私はもう少しヘタレな感じのイメージを持っていたので。
藤原竜也さんはいかにもギンギンだもんなあ・・・。
でもまあ、映画作品としては一応の出来にはなっていたと思います。

ただ、多くのちらばったエピソードの一つ一つ、その関係が明らかになっていく、
あの心地よさ、2時間足らずの映画ではそれがあれよあれよと進んでしまって、
味わっているヒマがありません。
映画だけを初めて見た方に、すべての関連が把握できたでしょうか?

でも読書だと、そのゆったりとした読書時間のなかで、
徐々に真相が姿を現すという楽しみを味わうことが出来ます。

やっぱり、本作は読書体験すべき作品だなあと改めて思う次第。

<シネマフロンティアにて>

「鳩の撃退法」

2021年/日本/119分

監督:タカハタ秀太

原作:佐藤正午

出演:藤原竜也、土屋太鳳、風間俊介、西野七瀬、岩松了、
   ミッキー・カーチス、リリー・フランキー、豊川悦司

 

原作再現度★★★☆☆

満足度★★★☆☆

 



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ぜひ (たんぽぽ)
2021-09-16 09:02:39
cyazさま
結構ボリュームはあるのですが、いつまでも読んでいたいという感じがする大好きな本でした。ここまで好きだと、逆に映画化は歓迎しないという変な感情が生まれるようで・・・。
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原作を~ (cyaz)
2021-09-16 08:50:40
たんぽぽさん、こんにちは^^

原作は未読でしたが、映画は結構楽しめました。
ただところどころ、「ん、ここは?」って場面もありました。
仰るようにこれは原作を読んでみたいと思いました。
「読書の秋」、溜めてある未読の読了したら、
読んでみたい候補でチェックしておきます^^
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