映画と本の『たんぽぽ館』

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真夜中乙女戦争

2022年05月15日 | 映画(ま行)

絶望の中の光

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はい、永瀬廉さん目当てに見たミーハー視聴です。
でもこれ、全然アイドル映画ではありません。

上京し一人暮らしを始めた大学生の“私”(永瀬廉)。
友だちも恋人もできず、鬱屈した毎日。

何気なく「かくれんぼ同好会」の募集が気になり、入会します。
そしてそこで出会った聡明でちょっと冷たい感じのする“先輩”(池田エライザ)に惹かれていきます。

そしてまた“私”は、謎の男“黒服”(柄本佑)とも出会う。
“黒服”は、生きることは無意味と考え、社会への反逆を実行していきます。
“私”もそんな彼の思想に同調していきますが、
圧倒的カリスマ性を持つ“黒服”には他にも付き従うメンバーが増えていき、
次第に大きな組織になっていきます。
始めはほんのいたずら程度のものだったのが、
やがて「東京破壊計画」すなわち“真夜中乙女戦争”を目指すようになっていく・・・。

大学の一コマの講義は計算すると3000円。
だからそれだけの価値のある講義をしてくれないと困る、と教師に詰め寄る“私”。
経済的に厳しいところを、バイトをしながら学ぼうとする“私”は、
しかし、講義にも友人関係にも何も希望が見いだせない。
大学生活どころか自分のこの先の人生までもが絶望的に退屈で、
しかも底辺から抜け出せないように思われる。
そんな彼が“黒服”に傾倒していくのは当然のように思われます。
けれど、そんな暗黒の思想に真っ正面から立ち向かおうとするのが、“先輩”なんですね。

彼女自身、決して無垢な正義の味方ではない。
むしろ人よりも世界を斜めに見ているようでもあるのですが、
でもまっすぐに生きようとしている。
そんなまっとうさから、“私”は、目をそらすことができない・・・。

何やら不思議なムードのある作品です。
柄本佑さんの、ほの暗い感じも悪くないですね。

 

<Amazon prime videoにて>

「真夜中乙女戦争」

2022年/日本/113分

監督・脚本:二宮健

原作:F

出演:永瀬廉、池田エライザ、柄本佑、篠原悠伸、安藤彰則、山口まゆ

 

虚無感度★★★☆☆

満足度★★★☆☆

 



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