勇気ある滞在記
* * * * * * * * * *
北海道のちょうど真ん中、十勝・大雪山国立公園にあるトムラウシ。
スーパーまで三十七キロという場所へ引っ越した宮下家。
寒さや虫などに悩まされながら、
壮大な大自然、そこで生きる人々の逞しさと優しさに触れ、
さまざまな経験をすることになる。
『スコーレNo.4』の宮下奈都が「山」での一年間を綴った感動エッセイを文庫化。
巻末に、「それから」を特別収録。
* * * * * * * * * *
本屋大賞「羊と鋼の森」の宮下奈都さんの
北海道、トムラウシの一年間の滞在記。
場所が北海道だけに、興味を持ちました。
しかし、トムラウシとは・・・。
札幌に住んでいる私でも、これ以上の雪や寒さはゴメンだ・・・と思っているので、
トムラウシに住もうなどとは思いもよらないのですが、
宮下家、ご主人のたっての希望で、
中学生2名と小学生1名の子供たちの山村留学という形で
家族5人で移住してきたそうです。
トムラウシといえば、まだご記憶にある方もいらっしゃるのでは?
真夏の登山ツアーで低体温症による大規模な遭難事故があった、あの山。
しかし、アイヌの言葉では「カムイミンタラ」すなわち「神々の遊ぶ庭」と言われる
圧倒的に美しい場所でもあります。
まあもちろん、そこまで山奥に住むわけではあありませんけれど・・・。
その山の麓の小さな集落に、まだまだ雪の残る4月、
はるばる福井からやってきた勇気ある宮下家。
多分いくらご主人が希望しても、
奥様や子供たちが反対すれば実現することではありません。
でも、子供たちは乗り気。
著者も渋々ながら・・・と言いつつ、
ずいぶん楽しみであったようにも見受けられます。
つまりは、皆さまとにかく大自然がお好きなようで。
学校は小中併置で、小学生10名、中学生5名(そのうち3名が宮下家の子どもたち)。
学校の職員や地域の住民、
宮下家と同じく子供の山村留学のために移住してきた人々・・・
このコミュニティが素晴らしく魅力的。
私、実のところそういうのは苦手だなあ・・・という気持ちもあるのですが、
本作を読むと、これも悪くないかも・・・と思えてきます。
なにかある都度、集まってバーベキューをしたり、宴会になったり・・・。
こういう土地だからこそ協力し合わないとやっていけないという事情はありそうです。
これを読んでいると、学校はいつも何かの行事の準備に一生懸命で、
本当にちゃんと決められたカリキュラムをこなしているのだろうか???
などと疑ってしまったりもしますが、
しかし、殆どの授業はマンツーマンに近いわけだから、
落ちこぼれが出ようもなく、普段の授業はかなり効率が良いのかもしれません。
けれど必ずしも良い点ばかりではなく、
例えばここで小中9年間を過ごした子が大規模な高校へ入学したときに、
ダメージを受けてしまうというような・・・そんな問題もあるようです。
本作にも度々出てくる、集落よりも少し上にある温泉「東大雪荘」は
私も行ったことがありまして、本当によいところですよ~。
鹿やキツネが特に珍しくもなく家の近辺を歩き回っている
なんて状況は私も憧れます・・。
クマは嫌だけど・・・。
貴重な体験記でした。
お子さんたちがみな独立したら、またご夫婦で、ぜひ北海道へ移住してくださいな・・・。
そうそう、札幌在住北大路公子さんも登場するシーンあり!!
「神さまたちの遊ぶ庭」宮下奈都 光文社文庫
満足度★★★★☆
神さまたちの遊ぶ庭 (光文社文庫) | |
宮下 奈都 | |
光文社 |
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北海道のちょうど真ん中、十勝・大雪山国立公園にあるトムラウシ。
スーパーまで三十七キロという場所へ引っ越した宮下家。
寒さや虫などに悩まされながら、
壮大な大自然、そこで生きる人々の逞しさと優しさに触れ、
さまざまな経験をすることになる。
『スコーレNo.4』の宮下奈都が「山」での一年間を綴った感動エッセイを文庫化。
巻末に、「それから」を特別収録。
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本屋大賞「羊と鋼の森」の宮下奈都さんの
北海道、トムラウシの一年間の滞在記。
場所が北海道だけに、興味を持ちました。
しかし、トムラウシとは・・・。
札幌に住んでいる私でも、これ以上の雪や寒さはゴメンだ・・・と思っているので、
トムラウシに住もうなどとは思いもよらないのですが、
宮下家、ご主人のたっての希望で、
中学生2名と小学生1名の子供たちの山村留学という形で
家族5人で移住してきたそうです。
トムラウシといえば、まだご記憶にある方もいらっしゃるのでは?
真夏の登山ツアーで低体温症による大規模な遭難事故があった、あの山。
しかし、アイヌの言葉では「カムイミンタラ」すなわち「神々の遊ぶ庭」と言われる
圧倒的に美しい場所でもあります。
まあもちろん、そこまで山奥に住むわけではあありませんけれど・・・。
その山の麓の小さな集落に、まだまだ雪の残る4月、
はるばる福井からやってきた勇気ある宮下家。
多分いくらご主人が希望しても、
奥様や子供たちが反対すれば実現することではありません。
でも、子供たちは乗り気。
著者も渋々ながら・・・と言いつつ、
ずいぶん楽しみであったようにも見受けられます。
つまりは、皆さまとにかく大自然がお好きなようで。
学校は小中併置で、小学生10名、中学生5名(そのうち3名が宮下家の子どもたち)。
学校の職員や地域の住民、
宮下家と同じく子供の山村留学のために移住してきた人々・・・
このコミュニティが素晴らしく魅力的。
私、実のところそういうのは苦手だなあ・・・という気持ちもあるのですが、
本作を読むと、これも悪くないかも・・・と思えてきます。
なにかある都度、集まってバーベキューをしたり、宴会になったり・・・。
こういう土地だからこそ協力し合わないとやっていけないという事情はありそうです。
これを読んでいると、学校はいつも何かの行事の準備に一生懸命で、
本当にちゃんと決められたカリキュラムをこなしているのだろうか???
などと疑ってしまったりもしますが、
しかし、殆どの授業はマンツーマンに近いわけだから、
落ちこぼれが出ようもなく、普段の授業はかなり効率が良いのかもしれません。
けれど必ずしも良い点ばかりではなく、
例えばここで小中9年間を過ごした子が大規模な高校へ入学したときに、
ダメージを受けてしまうというような・・・そんな問題もあるようです。
本作にも度々出てくる、集落よりも少し上にある温泉「東大雪荘」は
私も行ったことがありまして、本当によいところですよ~。
鹿やキツネが特に珍しくもなく家の近辺を歩き回っている
なんて状況は私も憧れます・・。
クマは嫌だけど・・・。
貴重な体験記でした。
お子さんたちがみな独立したら、またご夫婦で、ぜひ北海道へ移住してくださいな・・・。
そうそう、札幌在住北大路公子さんも登場するシーンあり!!
「神さまたちの遊ぶ庭」宮下奈都 光文社文庫
満足度★★★★☆
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