ダ・ヴィンチ狂騒曲
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美術界のドキュメンタリー作品。
2017年。
レオナルド・ダ・ヴィンチ最後の傑作とされる絵画「サルバトール・ムンディ」が、
史上最高額510億円で落札されます
それはもともと、ある美術商が名も無き競売会社のカタログから
13万円(!)で落札されたもの。
ロンドンのナショナル・ギャラリーにて、専門家の鑑定を経て
ダ・ヴィンチの作品として展示され、お墨付きを得たのです。
その後、投資目的の大財閥や、手数料をだまし取ろうとする仲介人、
そして、国際政治の暗躍がウワサされる某国王子等、
様々な思惑を抱えた人々が動き回ります。
作品自体は、ロンドンやらニューヨーク、シンガポールなどを行き来。
結局現在の持ち主も保管場所も公表されておらず謎のまま・・・。
人が鑑賞してナンボのはずの美術品が、
単に金儲けや名声のための道具となりはてているのは
いかにも現代的ではありますが、悲しいことではあります。
そもそもこれは本当に本物か?と言うところも謎のママなんですね。
ダ・ヴィンチ自身の作品というより、ダ・ヴィンチの工房の作品、
つまり弟子の手によるものの可能性が高いという話もあります。
発見されたときには、上から分厚い塗り直しがされていて、
それを何年もかけて修復したものとのことで、
まあ、ド素人の私が思うには、修復者の思いがその修正にいくらか
出てしまっているのでは?などとも思うのです。
映画の画面で見ただけでは、さほど感動が湧くような絵には思えなかったのですが・・・。
ダ・ヴィンチが天国で、さぞかしあきれていることでありましょう。
<WOWOW視聴にて>
「ダ・ヴィンチは誰に微笑む」
2021年/フランス/100分
監督:アントワーヌ・ビトキーヌ
アート界の狂騒度★★★★★
満足度★★★.5
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