映画と本の『たんぽぽ館』

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マイ・ブロークン・マリコ

2023年01月21日 | 映画(ま行)

遺骨を抱いた一人旅

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ブラック会社の社員、シイノトモヨ(永野芽郁)。
ある日、親友のイカガワマリコ(奈緒)が亡くなったことをテレビのニュースで知ります。
マリコは幼い頃から実の父親に虐待を受けていました。
そんなマリコのことが不憫で、シイノは父親の元からマリコの遺骨を奪い取ります。
そして、以前マリコが行きたいといっていた小さな海辺の町へ旅することに。

マリコは父親から虐待を受け、長じて父親の元を離れれば、
今度はろくでもない男と付き合っては
また別のクズ男と付き合い始めるということを繰り返し始めます。
彼女の心はとうに壊れていたのかも知れません。
そんなマリコは、唯一シイノにだけは心を許し、
まるで子犬のようになついてすり寄ってきたものでした。

シイノは若干メンドクサイと思いながらも、慕われていることに悪い気はしません。
そして考えてみれば、自分自身もマリコ以外に心を許せる友人はいないのでした。
しかし、そのマリコが自分に何も告げずに自死してしまったということに、
シイノは傷ついてしまうのです。

遺骨を胸に抱いたシイノは、2人のこれまでのことを思い返しながら、
電車やバスに揺られて旅をします。
無断欠勤した会社の「クソ上司」からの電話も無視。

行き着いた海辺の田舎町ではひったくりに遭って、
遺骨以外の荷物をすべて奪われたりもするのですが・・・。

そこで彼女を助けてくれた青年・マキオ(窪田正孝)がいかにもワケあり、お人好しの感じ。
いい味出てるな~。
見てるだけで癒されます。

とにもかくにも、シイノの抱えた悲しみやら鬱屈やら・・・
それらが浄化されていく物語。

いいものを見た、という感じです。

 

<Amazon prime videoにて>

「マイ・ブロークン・マリコ」

2022年/日本/85分

監督:タナダユキ

原作:平庫ワカ

出演:永野芽郁、奈緒、窪田正孝、尾美としのり、吉田羊

 

マリコのブロークン度★★★★☆

シイノの威勢の良さ★★★★☆

マキオの癒やし度★★★★☆

満足度★★★★☆



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