真実か、妄想か・・・?
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1960年、南米コロンビア。
故国ポーランドにてホロコーストで家族を失い、1人生き延びたユダヤ人のポルスキー。
今は、町外れの一軒家で穏やかな日々を過ごしています。
そんなところへ、隣家に15年前56歳で死んだといわれる
ヒトラーに酷似したドイツ人、ヘルツォークが引っ越してきます。
ポルスキーは、ユダヤ人団体に隣家がヒトラーだと訴えるのですが、信じてもらえません。
それなら自らの手でその証拠をつかんでみせる!と、ヘルツォークを監視しはじめます。
ところがそんなことをする内に、いつしか互いに行き来するようになり、
2人でチェスを指したり、ヘルツォークに肖像画を描いてもらったりするようになるのです・・・。
ちょうど1960年は、ドイツ親衛隊のアイヒマンが
南米コロンビアに潜伏していたのが発見されて、拘束されたという年。
だからもしかしたらヒトラーは生きていて
南米に潜伏しているということも有りうるかも・・・?
という想像を生んで、実際にそんなうわさが流れたことがあったようです。
冒頭、ユダヤ人の家族が集まって賑やかに写真を撮るシーンが映し出されます。
それこそがかつての若きポルスキー。
しかし今はその家族をすべて失い、年老いて一人暮らし・・・。
その心中はいかばかりかと、かなり感情移入してしまいます。
そんな彼はチェスが得意で、かつてチェスの国際大会でヒトラーを見たことがあるという・・・。
忘れもしない、その時の残酷な青灰色の目の色が、越してきた隣人と同じ・・・!
果たして、隣人は本当にヒトラーなのか、それともポルスキーのただの思い込みなのか・・・?
そんな疑惑渦巻く中で、ラストが気になりますが、真実は思いも寄らないところにありました!
混乱の時を過ぎて、なおつらい日々を過ごしてきたのはポルスキーだけではないのです。
切り口はユーモラスですが、心に響く物語。
<シアターキノにて>
「お隣さんはヒトラー?」
2022年/イスラエル、ポーランド/95分
監督:レオン・プルドフスキー
脚本:レオン・プルドフスキー、ドミトリー・マリンスキー
出演:デビッド・ヘイマン、ウド・キア、オリビア・シルハビ、キネレト・ペレド
歴史発掘度★★★★☆
満足度★★★★☆
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