映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「白銀ジャック」 東野圭吾

2010年11月14日 | 本(ミステリ)
雪山を疾走するミステリ

白銀ジャック (実業之日本社文庫)
東野 圭吾
実業之日本社


            * * * * * * * *

また新しい文庫シリーズが出ましたね。
本屋さん泣かせだと思います。
書棚に各社の文庫新刊を並べきれなくなっているのではないでしょうか。
文庫ファンとしてはうれしいのですが、
あれもこれもと買ってしまって、読み切れないのが積み上がってきている・・・。
ちょっと厳しく選択しなくては・・・。
でも結局読んでみないと解らないですからね。
ベストセラーが必ずしも自分にしっくり来るとは限らない。
そんなわけで、まあこの本については
東野圭吾作品なので、そこそこ楽しめそうと思い手に取りました。


とあるスキー場に爆破を予告した脅迫状が届きます。
言ってみれば、スキー客や従業員が人質。
犯人は現金を要求し、支払わなければ、ゲレンデのどこかに埋めてある爆弾を爆破すると迫る。
余計な騒ぎや評判の低下をおそれた経営陣は、
警察にも知らせず、現金を支払うことで片をつけようとする。
とりあえず、取引は成功と思われたのだが、
犯人の要求は一度では留まらず、2度3度・・・。
果たしてこれは本当に現金奪取が目的なのか。
それとも何かの復讐なのか。
現場のスタッフたちが犯人と経営陣の狭間で翻弄されながら、
その真相を探っていきます。


疾走するスノーボードのイメージにも似て、
スピーディな展開で楽しめる作品です。
ただ、ここのところ東野作品はあまりにも出来がいいので、
ハードルが高くなっているのかも知れません。
確かに「そこそこ」楽しめるものではありますが、それ以上ではありません。
結局、真犯人へのミスリードがありまして、
読んでいても真相はつかめなかったですけれど・・・。
そしてまた、いい方向で解決するので、読後感は悪くありません。
ではどこが不満なのかと言えば・・・
やはり、期待が大きくなりすぎている、
ということでしょうか・・・?

この作品、スノーボードシーンをたっぷり織り込めば、映画向きかも知れません。

満足度★★★☆☆


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