映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

散り椿

2018年09月30日 | 西島秀俊

切なく咲き散る椿の花

* * * * * * * * * *


さあ、西島秀俊さんでーす!!
いや、主役は岡田准一さんの方だと思うんだけど・・・
まあ、どっちでもいいんです。
 私、本作のキャストを見たときに、岡田准一さんが藤吾の役かと思っちゃいました。
でも、西島さんは新兵衛のイメージではないよね。
そうだね、やっぱり采女役のほうがしっくり来る。
 原作からすると新兵衛と采女はほぼ同年輩のはずなんだけれど・・・
だから、岡田准一さんのキャスティングがあれ?と思うわけね。
いや意外と岡田准一さんってもうそんな年?とか思ったりして、マジで調べてしまった。
 そしたらやっぱり、この二人はほぼ10歳の差がありました。
まあ、そんなことを気にするのは私らくらいだからさ・・・、気にしない気にしない。
 それより、そんな事から始めたから、ストーリー紹介してないじゃないの。
この間原作読んだばかりなので、つい面倒になりまして・・・

 

えーと、瓜生新兵衛(岡田准一)は、藩の不正を訴え出たため、藩を追われていました。
 妻・篠(麻生久美子)を伴い京都などで生活していましたが、その妻が病でなくなり、
 妻の言い残した願いをかなえるため、8年ぶりにこの地に帰ってきたのです。
この地元には新兵衛の友でありライバルでもあった榊原采女(西島秀俊)がいて、
 この8年の間に出世をして、今は藩の要職についているんだね。
新兵衛は、以前篠と采女が好きあっていたのではないかと思い心穏やかではないのですが、
 それでも妻の遺言に従い、采女を手助けしようと思います。
8年前、新兵衛が藩の不正を暴こうたしたときのイザコザはまだ後を引いていて、
 新兵衛が戻ってきたことでまた、藩の闇が動きはじめるわけ・・・。

藩主の世継ぎ問題とか、不正でもいろいろな複雑な事情とか・・・
 そういうのは割とバッサリと単純化されていたね。
まあ、2時間程度のストーリーにまとめなければならないから、仕方ないよ。
それでも、私ならこの映画だけ見て事情はよくわからないような気がする・・・
 皆さんはわかるのかしらん・・・?
 殺陣は、そう派手ではないし、やたらと雨やら雪やらのシーンが多くて暗いし・・・、
 私みたいに西島秀俊さんを拝めるだけで「良し」という人でなかったら、
 もしかしたらよく眠れる作品なのかも・・・。
あ、いや、岡田准一さんのファンの人も大丈夫だと思ううよ、多分。
まあね、でもこの二人の対決のシーンは良かったよね。
 椿の花が美しい・・・。
これは散り椿で、一つの木に赤白入り混じった花がさくんだね。
 そもそも北海道には椿の木がないので、特にもの珍しく素敵に感じたなあ。
ふるさとの自分の家に咲いていた散り椿の花。
 篠は遠い地でこの花をもう一度見たいとおもっていたのだよね。
 切ないなあ・・・。



それからこの二人、双方この藩で四天王と呼ばれる4人のうちの二人、という凄腕。
 昔は互いを煙たく思っていたことが伺われるよね。
 同じ一門の友ではあるけれど、どこか気に食わないヤツ。
 それは、篠をめぐるライバル関係ということもあるけれど、
 実のところは理解し合える似た者同士だから、ということなのかもしれない。
そんな二人の関係性が良く表されていた対決シーン。いいわあ・・・


原作と映画で大きく違っていたのが、人物の関係で、
 原作では切腹をして死んだ源之進の息子が藤吾(池松壮亮)で、妻が里美(黒木華)だったのに、
 本作ではこの三人は兄弟ということになっていました。
う~ん、どうなんだろう。
 少なくとも藤吾は息子のほうが良かったかも・・・。
そういえば藤吾くんの婚約破棄の下りとかもバッサリ削られてて、
 彼の成長ぶりもあまり際立つような描かれ方をしていなかったなあ・・・。
やっぱり葉室麟作品を2時間に押し込めようとするのがムリなのかもしれないね。
 この凛として美しい武士の物語を楽しみたければ、やっぱり本を読むに限る。

あ、でも本作は精一杯そういう原作の雰囲気を大事にしていることがわかるよ。
 そこはさすが木村大作監督。

原作はこちら→「散り椿」

 

ユナイテッド・シネマにて
「散り椿」
2018年/日本/112分
監督:木村大作
原作:葉室麟
出演:岡田准一、西島秀俊、黒木華、池松壮亮、麻生久美子

西島秀俊の魅力度★★★★☆
満足度★★★☆☆



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