映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「虚像の道化師/ガリレオ7」 東野圭吾

2012年10月13日 | 本(ミステリ)
うかうかしていると、ついはめられる

虚像の道化師 ガリレオ 7
東野 圭吾
文藝春秋


                      * * * * * * * * * 

おなじみ東野圭吾のガリレオシリーズ最新刊です。
4篇の短編からなっています。

第一章「幻惑す(まどわす)」は、怪しげな新興宗教を題材としていますが、
トリックはやはり科学的なもの。

第二章「心聴る(きこえる)」は、おかしな幻聴にまつわるもの。
これも最新の科学的な仕掛けが。

第三章「偽装う(よそおう)」。装うと言えば偽装殺人?・・・と思えるのですが、そうではなく・・・。
最新科学が使われているわけではありませんが、
このからくりに気づくのはさすが、湯川ならでは。

第四章「演技る(えんじる)」。登場するのは劇団員。
ということで、彼らは巧みに演じます。
・・・騙されます。


ガリレオシリーズは、物理学者湯川という名探偵を置いているため、
当然科学的なトリックが多くなりますが、
私はこの本に限っては、科学的トリックではない方が好きでした。


3作目の謎は、知っているはずでも普通の人は気づかない、
言われてみて始めて「ああそうか」、と思うところがとてもいい。


4作目は、倒叙形式なのです。
つまり、はじめに"犯行シーン"があり、"犯人"は私達読者に姿を表している。
だから犯人探しにはならない・・・ハズだったのですが・・・???
あれ?
うまく著者にはめられてしまいました。
のんびりしているとこんなことになるので油断なりません。


さてところで、福山雅治の映画版ガリレオシリーズ、
新作「真夏の方程式」を製作中だそうです。
2013年初夏公開予定。
楽しみです!

「虚像の道化師/ガリレオ7」東野圭吾 文藝春秋 
満足度★★★★☆


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