アン・ハサウェイに泣かされて
* * * * * * * * *
ビクトル・ユーゴー原作、大ヒットミュージカルの映画化です。
ミュージカルでなくても、これまでも何度も映画化されているこの作品。
なので、たいていの方はおぼろげながらでもストーリーはご存知かと思いますが・・・。
19世紀、革命後のフランスが舞台です。
せっかくの革命でしたが、相変わらず格差は激しく
民衆は貧困にあえいでいた・・・と。
ジャン・バルジャン(ヒュー・ジャックマン)は、
たったひとつのパンを盗んだ罪で19年間投獄されていました。
今作ではいきなり人力で巨大な帆船を曳く囚人たちという、
ちょっとしたスペクタルシーン。
度肝を抜かれます。
こんなキツイ労働の中で、ジャン・バルジャンの怪力は培われた、
というのに、説得力がありますね。
ジャン・バルジャンはようやく仮釈放となりますが
再び盗みを働いてしまいます。
しかしその罪を見逃してくれた司教に、深く感銘を受け
人生をやり直そうと決意!
時は過ぎ、彼は泥沼から這い上がり、人々から尊敬される市長となっています。
そして、娘を養うため娼婦にまで身を落としたファンテーヌ(アン・ハサウェイ)に
娘コゼット(アマンダ・セイフライド)を託されます。
しかし、そこへ現れたのが
仮釈放のまま行方をくらませたジャン・バルジャンを追っているジャベール警部(ラッセル・クロウ)。
やがてパリは学生たちが革命のためバリケードを築き始め、
混乱の渦へ突入していきますが・・・。
注目は、やはりアン・ハサウェイです。
何しろ私、予告編のワンシーンを見ただけで、泣けてしまっていました。
自らの過ちでもなんでもないのに仕事をクビにされ、
美しい髪も売って娼婦にまで落ちてしまった。
それも愛する娘のため・・・。
アン・ハサウェイが歌の特訓を重ね、実際にバッサリ髪を切り、
11キロの減量をして臨んだというこの迫力あふれる「夢やぶれて」のシーンは、
今思い出しても涙がこみ上げます。
ほとんど神がかり状態。
普通ミュージカル映画というのは最初に歌を吹きこんで、
撮影時は口パクで行うものなのだそうですが、
今作はすべて撮影時に歌って収録したといいます。
そもそも俳優さんたちは言葉に感情を込めるのが仕事なわけですから、
歌に気持ちを込めれば並以上に威力を発揮するものなんですね。
アン・ハサウェイに限らず、俳優陣みなさんの実力、恐れいりました・・・。
それにしても、あの「プリティ・プリンセス」のかわいらしかったあの子が、
よくぞここまですばらしい女優に成長したなあ・・・と、
私、感慨にふけってしまったのでした。
ファンティーヌは割と早いうちに亡くなってしまうわけですが、
しかし後々また、重要なシーンに登場。
自らを苦境に落としても、愛する人を守り慈しもうとする、
本当の「愛」の形を私達に指し示す
大きな存在感のある人物であるわけです。
一方、ジャベール警部というのは、
正義=法、そしてまた、
それが自らの生きていくための真理という人物なのでしょうね。
だから、その真理が崩れた時にはもう生きていくことができない。
それにしても、高所のキワで歌をうたうのはやめてほしいものです。
ああいう場所が苦手な私は、
見ているだけでお尻のあたりがムズムズしてきます。
「いや、もうやめて・・・」と思っているうちに
「あ~、やっぱりね、だから言ったのに・・・」と、なってしまいました。
何時の世でも、そこまで杓子定規では生きにくいですわね・・・。
マリウスくんにはどうしても一言いいたくなってしまいます。
自分だけ生き残って、裕福な実家に戻って、結婚して・・・。
う~ん、それはありですか???
この脳天気さにはなんだかなあ・・・と思わざるをえないのですが、
それもこれもコゼットの幸せのため、といえば仕方ないのかな。
考えてみたら、コゼットは自らの幸せのために何もしていませんよね。
庇護されるばかり。
・・・ここが昔のストーリーの限界です。
現在のストーリーなら、こうはなりません。
今やヒロインも行動が必要な時代。
でもまあ、こんな不満もかすむくらいに感動的なフィナーレでした。
涙また、涙・・・。
時間を忘れて、浸りましょう。
「レ・ミゼラブル」
2012年/イギリス/158分
監督:トム・クーパー
出演:ヒュー・ジャックマン、ラッセル・クロウ、アン・ハサウェイ、アマンダ・セイフライド、アーロン・トベイト、エディ・レッドメイン
* * * * * * * * *
ビクトル・ユーゴー原作、大ヒットミュージカルの映画化です。
ミュージカルでなくても、これまでも何度も映画化されているこの作品。
なので、たいていの方はおぼろげながらでもストーリーはご存知かと思いますが・・・。
19世紀、革命後のフランスが舞台です。
せっかくの革命でしたが、相変わらず格差は激しく
民衆は貧困にあえいでいた・・・と。
ジャン・バルジャン(ヒュー・ジャックマン)は、
たったひとつのパンを盗んだ罪で19年間投獄されていました。
今作ではいきなり人力で巨大な帆船を曳く囚人たちという、
ちょっとしたスペクタルシーン。
度肝を抜かれます。
こんなキツイ労働の中で、ジャン・バルジャンの怪力は培われた、
というのに、説得力がありますね。
ジャン・バルジャンはようやく仮釈放となりますが
再び盗みを働いてしまいます。
しかしその罪を見逃してくれた司教に、深く感銘を受け
人生をやり直そうと決意!
時は過ぎ、彼は泥沼から這い上がり、人々から尊敬される市長となっています。
そして、娘を養うため娼婦にまで身を落としたファンテーヌ(アン・ハサウェイ)に
娘コゼット(アマンダ・セイフライド)を託されます。
しかし、そこへ現れたのが
仮釈放のまま行方をくらませたジャン・バルジャンを追っているジャベール警部(ラッセル・クロウ)。
やがてパリは学生たちが革命のためバリケードを築き始め、
混乱の渦へ突入していきますが・・・。
注目は、やはりアン・ハサウェイです。
何しろ私、予告編のワンシーンを見ただけで、泣けてしまっていました。
自らの過ちでもなんでもないのに仕事をクビにされ、
美しい髪も売って娼婦にまで落ちてしまった。
それも愛する娘のため・・・。
アン・ハサウェイが歌の特訓を重ね、実際にバッサリ髪を切り、
11キロの減量をして臨んだというこの迫力あふれる「夢やぶれて」のシーンは、
今思い出しても涙がこみ上げます。
ほとんど神がかり状態。
普通ミュージカル映画というのは最初に歌を吹きこんで、
撮影時は口パクで行うものなのだそうですが、
今作はすべて撮影時に歌って収録したといいます。
そもそも俳優さんたちは言葉に感情を込めるのが仕事なわけですから、
歌に気持ちを込めれば並以上に威力を発揮するものなんですね。
アン・ハサウェイに限らず、俳優陣みなさんの実力、恐れいりました・・・。
それにしても、あの「プリティ・プリンセス」のかわいらしかったあの子が、
よくぞここまですばらしい女優に成長したなあ・・・と、
私、感慨にふけってしまったのでした。
ファンティーヌは割と早いうちに亡くなってしまうわけですが、
しかし後々また、重要なシーンに登場。
自らを苦境に落としても、愛する人を守り慈しもうとする、
本当の「愛」の形を私達に指し示す
大きな存在感のある人物であるわけです。
一方、ジャベール警部というのは、
正義=法、そしてまた、
それが自らの生きていくための真理という人物なのでしょうね。
だから、その真理が崩れた時にはもう生きていくことができない。
それにしても、高所のキワで歌をうたうのはやめてほしいものです。
ああいう場所が苦手な私は、
見ているだけでお尻のあたりがムズムズしてきます。
「いや、もうやめて・・・」と思っているうちに
「あ~、やっぱりね、だから言ったのに・・・」と、なってしまいました。
何時の世でも、そこまで杓子定規では生きにくいですわね・・・。
マリウスくんにはどうしても一言いいたくなってしまいます。
自分だけ生き残って、裕福な実家に戻って、結婚して・・・。
う~ん、それはありですか???
この脳天気さにはなんだかなあ・・・と思わざるをえないのですが、
それもこれもコゼットの幸せのため、といえば仕方ないのかな。
考えてみたら、コゼットは自らの幸せのために何もしていませんよね。
庇護されるばかり。
・・・ここが昔のストーリーの限界です。
現在のストーリーなら、こうはなりません。
今やヒロインも行動が必要な時代。
でもまあ、こんな不満もかすむくらいに感動的なフィナーレでした。
涙また、涙・・・。
時間を忘れて、浸りましょう。
「レ・ミゼラブル」
2012年/イギリス/158分
監督:トム・クーパー
出演:ヒュー・ジャックマン、ラッセル・クロウ、アン・ハサウェイ、アマンダ・セイフライド、アーロン・トベイト、エディ・レッドメイン
アンジョルラスを演じていた、アーロン・トヴェイトという俳優さんが、髪型のせいか 時々 大泉洋さんに見えてしまいました。私だけでしょうか?
私はマリウス役のエディ・レッドメイン。以前にも幾つかの作品で見たと思うのですが、そのたびに、郷ひろみさんに見えてしまうのです。
面白いですよね。
スタジオでのそれと違って当然ですよね。
ファンティーヌとエポニーヌ。
私はコゼットよりも薄幸なふたりの女性の歌声が印象に残りました。
それにひきかえマリウス君。
>裕福な実家に戻って、結婚して・・・。
>う~ん、それはありですか???
彼の中では革命は一過性のブームみたいなものだったのかしら?
だとしたら決起しなかった市民は見る目があったと言えなくも・・・ない?
ただあのフィナーレは鳥肌ものでした。
実は物語なのかほとんど知らなかったもので(原作未読、舞台未見)、
もう一度観てじっくり味わいたいな・・・と思ってしまいました。
予告編であのシーンがちょっとだけあったと思うのです。
でも本編を見ると、学生たちの作ったバリケードはささやかなものだったので、「あれ?」と思いました。
そうしたら、なんと最後にあの大きなバリケードが出てきたんですね。心にくい演出。
ところでであのシーンにジャベール警部はいたのでしょうか? 私ももう一度じっくり見たいと思います。